113B046|第113回 歯科医師国家試験 過去問
1歳の男児。歯の変色を主訴として来院した。萌出時にはみられなかったという。初診時の口腔内写真(別冊No. 6)を別に示す。 原因として考えられるのはどれか。1つ選べ。

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正解: e
正答
e
この問題のポイント
萌出時にはなかった乳前歯の変色が、萌出後に歯頸部から生じています。哺乳瓶で糖質含有飲料を頻回に与えることで起こる乳幼児期の齲蝕です。
解説
哺乳瓶で砂糖を含む飲料、ジュース、乳飲料などを長時間・頻回に摂取すると、上顎乳前歯の唇面や歯頸部へ糖質が停滞します。とくに就寝中は唾液流量が少なく、酸が中和されにくいため、脱灰が進んで白濁から黄褐色の齲蝕病変となります。
萌出後に発生したという経過は、遺伝性の形成異常より後天的な齲蝕を支持します。保護者へ飲料内容・回数・就寝時哺乳を確認し、食習慣指導、フッ化物利用、清掃支援と病変に応じた治療を行います。
画像の確認
実画像では、上顎乳中切歯を中心に唇面から歯頸部へ白濁と黄褐色の実質欠損がみられ、複数の上顎乳前歯に左右性に広がっています。萌出後に生じたという病歴と、この上顎前歯優位の分布は、糖質飲料の長時間接触による乳幼児期齲蝕に合致します。
選択肢の確認
a.遺伝
誤り。遺伝性エナメル質形成不全なら通常、萌出時から複数歯に形成異常を認めます。
b.外傷
誤り。外傷なら受傷歯に限局した変色や形態変化が中心で、左右の上顎乳前歯へ広がる分布と合いません。
c.吸指癖
誤り。前歯部開咬や上顎前突などの咬合異常を起こし得ますが、齲蝕性変色の原因ではありません。
d.フッ化物塗布
誤り。適切なフッ化物塗布は再石灰化を促し齲蝕を予防します。
e.哺乳瓶による糖質含有飲料の摂取
正しい。上顎乳前歯へ糖質が停滞し、特徴的な乳幼児期齲蝕を生じます。
覚えるポイント
- 上顎乳前歯の歯頸部齲蝕+糖質飲料の頻回哺乳を結び付けます。
- 就寝時は唾液が少なく、齲蝕リスクが高まります。
- 治療と同時に、飲料内容・摂取頻度・就寝習慣の改善が必要です。
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