113B063|第113回 歯科医師国家試験 過去問
13歳の男子。下顎左側大臼歯部歯肉の腫脹を主訴として来院した。2か月前に気付き、徐々に増大してきたという。腫脹は弾性軟である。初診時の口腔内写真(別冊No. 17A)、エックス線画像(別冊No. 17B)、CT(別冊No. 17C)、MRI(別冊No. 17D)及び生検時のH-E染色病理組織像(別冊No. 17E)を別に示す。 診断名はどれか。1つ選べ。

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正解: c
正答
c
この問題のポイント
若年者の下顎大臼歯部に生じた膨隆性骨内病変で、画像上の顎骨膨張と、病理の歯原性上皮胞巣からエナメル上皮腫を診断します。
解説
エナメル上皮腫は歯原性上皮に由来する良性腫瘍で、下顎大臼歯部から下顎枝に好発します。緩徐に増大しますが局所浸潤性があり、顎骨膨隆、歯の移動、皮質骨菲薄化を起こします。画像では単房性または多房性透過像を示し、若年者では埋伏歯と関連する単囊胞型もあります。
病理では胞巣周辺の円柱状細胞の柵状配列と核の逆極性、中央部の星状網状層様細胞などを認めます。治療は病型・範囲に応じ、再発を考慮して計画します。
画像の確認
実画像Aでは下顎左側大臼歯部の歯肉が頬舌的に膨隆し、画像B・Cでは埋伏歯を伴う下顎体部の透過性病変と皮質骨の膨張・菲薄化がみられます。実画像Dでは病変がT2強調像で高信号を示し、画像Eでは歯原性上皮の胞巣・索状増殖と周辺細胞の配列が確認でき、エナメル上皮腫を支持します。
選択肢の確認
a.含歯性囊胞
誤り。埋伏歯冠を取り囲む囊胞ですが、腫瘍性の歯原性上皮胞巣と局所浸潤性増殖を示しません。
b.単純性骨囊胞
誤り。上皮裏装を欠く骨腔で、歯根間へ入り込む透過像を示しやすく、歯原性上皮腫瘍像はみられません。
c.エナメル上皮腫
正しい。下顎臼歯部の膨張性病変と特徴的な歯原性上皮胞巣が一致します。
d.腺腫様歯原性腫瘍
誤り。若年女性の上顎前歯部に多く、埋伏犬歯と小石灰化物を伴うことが典型です。
e.歯原性角化囊胞〈角化囊胞性歯原性腫瘍〉
誤り。前後方向へ広がりやすく膨張が比較的少なく、病理では薄い角化上皮を示します。
覚えるポイント
- 下顎大臼歯部・顎骨膨隆・歯原性上皮胞巣=エナメル上皮腫です。
- 若年者では埋伏歯に関連する単囊胞型もあります。
- 良性でも局所浸潤性と再発に注意します。
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