113B071|第113回 歯科医師国家試験 過去問
19歳の女性。咀嚼困難を主訴として来院した。3日前に階段から転落し、オトガイ部を強打したという。検査の結果、保存的治療を行うこととした。初診時のエックス線画像(別冊No. 23A)とCT(別冊No. 23B)を別に示す。 使用するのはどれか。1つ選べ。

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正解: b
正答
b
この問題のポイント
オトガイ部を打って生じた下顎頭骨折を非観血的に治療する症例です。歯列へ線副子を固定し、顎間固定や顎間ゴム牽引を行います。
解説
オトガイ部への外力は下顎骨を後上方へ押し、片側または両側の下顎頭部へ伝わって関節突起骨折を起こします。若年者で咬合誘導が可能な場合などは、歯列へ線副子を結紮し、必要な期間の顎間固定・ゴム牽引後に早期の開口訓練を行う保存的治療を選択できます。
プレートや骨ネジは骨折部を直接展開して固定する観血的治療に用います。保存的治療でも、咬合、開口量、下顎偏位、顎関節機能を継続評価します。
画像の確認
実画像Aのパノラマ像では下顎頭部の形態・位置に骨折を疑う左右差があり、画像Bの冠状断CTでは関節突起部の連続性と下顎頭位置の異常が確認できます。オトガイ部打撲という受傷機転と合わせて下顎頭骨折と判断でき、歯列を利用した非観血的咬合管理が可能な有歯顎です。
選択肢の確認
a.床副子
誤り。床副子は歯槽部骨折や歯の固定などに用いることがありますが、本例の顎間固定・牽引の代表器材ではありません。
b.線副子
正しい。上下歯列へ結紮し、顎間固定やゴム牽引によって咬合を誘導します。
c.Kirschner鋼線
誤り。骨内へ刺入する固定材料で、観血的または特定の骨固定に用い、本例の保存的治療では選びません。
d.骨接合用骨ネジ
誤り。骨折部を直接固定する観血的整復固定術で用います。
e.骨接合用プレート
誤り。骨折部を展開してスクリューで固定する観血的治療材料です。
覚えるポイント
- 下顎頭骨折の保存的治療=線副子+顎間固定/ゴム牽引です。
- オトガイ部打撲では関節突起骨折を見落とさないよう両側を確認します。
- 長期固定による関節拘縮を避け、適切な時期に機能訓練へ移ります。
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