113B072|第113回 歯科医師国家試験 過去問
3歳の男児。上顎左側乳中切歯の齲蝕治療を希望して来院した。自覚症状はないという。強膜が青色にみえる。初診時の口腔内写真(別冊No. 24A)とエックス線画像(別冊No. 24B)を別に示す。 この患者の治療に際し特に留意すべきなのはどれか。1つ選べ。

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正解: c
正答
c
この問題のポイント
青色強膜と乳歯の褐色・半透明な変色から骨形成不全症に伴う象牙質形成不全を考えます。骨が脆弱なため、身体を強く固定する抑制具は骨折の危険があります。
解説
骨形成不全症はI型コラーゲンの異常を主因とし、易骨折性、青色強膜、難聴などを示します。象牙質形成不全症を合併すると、歯は黄褐色から青灰色の半透明感を示し、エナメル質が剥離しやすく、象牙質が急速に摩耗します。
歯科治療時には移乗、体位変換、開口保持、行動調整で骨へ過度な力を加えないことが重要です。抑制具で四肢や胸郭を強く固定すると骨折につながり得るため避け、非侵襲的な行動調整を優先します。
画像の確認
実画像Aでは乳歯が全顎的に黄褐色から琥珀色の半透明感を示し、咬耗もみられます。実画像Bでは歯冠の膨隆と歯頸部狭窄、歯髄腔の変化を疑う形態があり、青色強膜という身体所見と合わせて骨形成不全症に伴う象牙質形成不全を支持します。
選択肢の確認
a.音刺激に注意する。
誤り。難聴を合併することはありますが、音刺激そのものが治療上の主要危険となるわけではありません。
b.粘膜の損傷に注意する。
誤り。通常の診療でも必要な配慮ですが、本疾患で特に問題となる骨脆弱性を直接示しません。
c.抑制具の使用を避ける。
正しい。強い固定圧や抵抗時の外力によって骨折を生じる危険があります。
d.診療室の温度に注意する。
誤り。体温調節異常を特徴とする疾患ではありません。
e.観血処置時に抗菌薬を予防投与する。
誤り。骨形成不全症そのものは感染性心内膜炎予防抗菌薬の適応ではありません。
覚えるポイント
- 青色強膜+易骨折性+象牙質形成不全を結び付けます。
- 治療時は体位変換や開口操作も含め、骨へ過大な力をかけません。
- 歯の変色は象牙質異常で、エナメル質剥離後の急速な摩耗にも注意します。
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