113C053|第113回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床口腔外科学

56歳の女性。下顎右側臼歯部の疼痛を主訴として来院した。6か月前、下顎右側第二小臼歯の抜歯後に生じ、その後疼痛の範囲が広がったため抗菌薬を1か月間服用したが、症状の改善がみられなかったという。特記すべき既往歴はない。右側オトガイ部の知覚鈍麻を認めたため下顎右側臼歯部の生検を行った。初診時のエックス線画像(別冊No. 13A)、CT(別冊No. 13B)及び生検時のH-E染色病理組織像(別冊No. 13C)を別に示す。 行うべき処置はどれか。1つ選べ。

113C053の問題画像
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正解: d

正答

d

この問題のポイント

長期の疼痛、抗菌薬への反応不良、広範な骨硬化と慢性炎症性組織像からびまん性硬化性下顎骨骨髄炎を考え、皮質骨除去術を行います。

解説

びまん性硬化性骨髄炎では骨硬化と血流低下が広範囲に及び、抗菌薬が病巣へ届きにくく慢性・再燃性の経過をとります。皮質骨除去術は病的な皮質骨を除去し、骨髄腔の減圧と血流改善を図る方法です。本例にはオトガイ部知覚鈍麻もあり、病変の広がりを画像で確認して治療します。腫瘍ではないため区域切除や放射線療法を第一選択としません。

画像の確認

実画像では、A・Bに下顎右側臼歯部から骨体部にかけて、境界不明瞭な硬化像と骨梁の不均一化、皮質骨の肥厚がみられます。病理像Cでは不規則な骨梁の間に線維性組織と慢性炎症性細胞がみられ、慢性硬化性骨髄炎に整合します。

選択肢の確認

a.開窓術
誤り。
開窓術は囊胞性病変の内圧を下げる処置で、びまん性硬化病変には適しません。

b.腐骨除去術
誤り。
明瞭な腐骨が主体の限局性骨髄炎では検討しますが、本例は広範な硬化と血流障害が中心です。

c.放射線療法
誤り。
炎症性骨髄炎への放射線照射は治療にならず、放射線性骨壊死の危険があります。

d.皮質骨除去術
正しい。
病的皮質骨を除去して減圧・血行改善を図る適切な処置です。

e.下顎区域切除術
誤り。
悪性腫瘍を示す所見ではなく、下顎区域切除は侵襲が過大です。

覚えるポイント

  • びまん性硬化性骨髄炎は抗菌薬だけで難治になりやすいです。
  • 皮質骨除去術で減圧と血流改善を図ります。

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