113C054|第113回 歯科医師国家試験 過去問
14歳の女子。がたがたの歯並びを主訴として来院した。第一大臼歯の咬合関係はAngle I級である。検査の結果、マルチブラケット装置による矯正歯科治療を行うこととした。初診時の顔面写真(別冊No. 14A)、口腔内写真(別冊No. 14B)及びエックス線画像(別冊No. 14C)を別に示す。セファロ分析の結果を図に示す。 適切な抜歯部位はどれか。1つ選べ。

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正解: b
正答
b
この問題のポイント
抜歯部位は、叢生量だけでなく、位置異常歯、上下顎切歯傾斜、左右対称性、臼歯関係を合わせて決めます。
解説
本例はAngle I級で、上顎左側犬歯が歯列外へ著しく転位し、上下顎に叢生があります。上顎左側では保存困難な転位犬歯を抜去し、反対側は左右の空隙バランスを取るため第一小臼歯を抜去します。下顎は前歯叢生の改善に空隙を利用しやすい両側第一小臼歯を選びます。左右・上下の抜歯部位を治療目標とセファロ所見に合わせることが重要です。
画像の確認
実画像では、Bで上顎左側犬歯が歯列から大きく逸脱し、上下顎前歯部に叢生がみられます。パノラマ画像Cとセファロ分析を合わせると、上顎は左犬歯と右第一小臼歯、下顎は両側第一小臼歯の空隙を利用する組合せが治療上整合します。
選択肢の確認
a.上顎左側犬歯・下顎両側第一小臼歯
誤り。
上顎左犬歯と下顎第一小臼歯だけでは上顎右側に抜歯空隙がなく、左右の空隙バランスを取りにくくなります。
b.上顎右側第一小臼歯・上顎左側犬歯・下顎両側第一小臼歯
正しい。
転位した上顎左犬歯、対側の上顎右第一小臼歯、下顎両側第一小臼歯を選ぶ適切な組合せです。
c.上顎右側第一小臼歯・上顎左側犬歯・下顎両側第二小臼歯
誤り。
下顎第二小臼歯抜歯では前歯叢生改善に利用する空隙が後方になり、所見に対する第一選択ではありません。
d.上顎両側第一小臼歯・下顎両側第二小臼歯
誤り。
上顎左側の著しい位置異常犬歯を残して両側第一小臼歯を抜く計画は、本例の歯列所見に合いません。
e.上顎右側第一小臼歯・上顎左側犬歯および第一小臼歯・下顎両側第二小臼歯
誤り。
上顎左側で犬歯と第一小臼歯の2歯を抜くと左右の抜歯数・空隙が不均衡になります。
覚えるポイント
- 便宜抜歯では保存価値の低い著しい位置異常歯を選ぶことがあります。
- 抜歯部位は左右の空隙と前歯移動量を総合して決めます。
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