113C065|第113回 歯科医師国家試験 過去問
40歳の女性。全身麻酔下に下顎骨骨折に対する観血的整復固定術を行うこととした。2か月前から動悸と手の振戦を自覚している。血液学検査の結果の一部を表に示す。 遊離トリヨードサイロニン(FT3):6.78 pg/mL(2.5〜4.3) 遊離サイロキシン(FT4):2.46 ng/dL(1.0〜1.8) 甲状腺刺激ホルモン(TSH):0.01 μU/mL以下(0.3〜4.0) ( )内は基準値 使用を避けるべきなのはどれか。1つ選べ。
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正解: b または e
正答
b 又は e
この問題のポイント
FT3・FT4高値、TSH抑制、動悸、振戦から未治療の甲状腺機能亢進症を考えます。ヨード負荷と交感神経刺激のどちらも甲状腺クリーゼを誘発し得ます。
解説
甲状腺機能亢進状態で予定手術を行うと、侵襲や薬剤を契機に高熱、頻脈、不整脈、意識障害を伴う甲状腺クリーゼを起こす危険があります。まず内分泌疾患を治療し、甲状腺機能を安定させることが原則です。ポビドンヨードは多量のヨード負荷、アドレナリン添加局所麻酔薬は交感神経刺激を強めるため、いずれも使用回避の対象になります。プロプラノロールは頻脈・振戦の抑制に使われ、デキサメタゾンもクリーゼ治療で補助的に用いられます。
公式の取扱い
厚生労働省は複数の選択肢が正解となるため、b又はeのいずれを選択した場合も正解として採点しています。
選択肢の確認
a.デキサメタゾン
誤り。
副腎皮質ステロイドは甲状腺ホルモンの末梢変換抑制などを目的に、甲状腺クリーゼで補助的に用いられます。
b.ポビドンヨード
正しい。
ヨードを含み、未治療の甲状腺機能亢進症では大量使用による機能悪化を避けるため正答として扱われます。
c.フェンタニルクエン酸塩
誤り。
オピオイド鎮痛薬で、甲状腺機能亢進症に特有の回避薬ではありません。
d.プロプラノロール塩酸塩
誤り。
β遮断薬で頻脈・動悸・振戦を抑え、治療に用いられます。
e.アドレナリン添加リドカイン塩酸塩
正しい。
アドレナリンが頻脈や不整脈を増悪させ、クリーゼ誘発の危険を高めるため正答として扱われます。
覚えるポイント
- 検査値はFT3・FT4高値+TSH低値=原発性甲状腺機能亢進です。
- 本問はポビドンヨード又はアドレナリン添加リドカインが公式正答です。
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