113C078|第113回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床口腔外科学

56歳の女性。下顎左側臼歯部の咬合時の違和感を主訴として来院した。1か月前に自覚し、痛みがなかったためそのままにしていたという。初診時のエックス線画像(別冊No. 30A)とCT(別冊No. 30B)を別に示す。 考えられるのはどれか。1つ選べ。

113C078の問題画像
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正解: e

正答

e

この問題のポイント

境界明瞭で膨張性に発育し、内部に石灰化を含む顎骨病変はセメント質骨形成線維腫を考えます。

解説

セメント質骨形成線維腫は線維性結合組織の中に骨様・セメント質様硬組織を形成する良性線維骨性腫瘍です。周囲骨との境界が比較的明瞭で、ゆっくり膨張し、病期により透過像から混合像・不透過像へ変化します。摘出・掻爬しやすい境界をもつ点が、周囲骨へ移行する線維性異形成症との重要な違いです。

画像の確認

実画像では、Aの下顎左側小臼歯から大臼歯部に、境界明瞭で内部に不透過像を含む類円形病変がみられます。CT画像Bでは病変が周囲骨と区別され、皮質骨を膨隆させる膨張性発育を示しており、セメント質骨形成線維腫に合います。

選択肢の確認

a.歯根嚢胞
誤り。
歯根囊胞は失活歯根尖を中心とする単房性透過像で、内部石灰化と膨張性混合像は典型でありません。

b.歯原性粘液腫
誤り。
歯原性粘液腫は多房性透過像を示し、細い骨梁を伴いますが、境界明瞭な石灰化性腫瘍像とは異なります。

c.エナメル上皮腫
誤り。
エナメル上皮腫は多房性透過像と著明な膨隆を示しますが、硬組織形成を主体としません。

d.線維性異形成症
誤り。
線維性異形成症はすりガラス状で周囲正常骨へ移行し、明瞭な被膜性境界を欠くことが多いです。

e.セメント質骨形成線維腫(骨形成線維腫)
正しい。
境界明瞭な膨張性混合像を示す良性線維骨性腫瘍で、本例に一致します。

覚えるポイント

  • 骨形成線維腫は境界明瞭、線維性異形成症は周囲骨へ移行します。
  • 成熟に伴い透過像から混合像・不透過像へ変化します。

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