113C077|第113回 歯科医師国家試験 過去問
1か月前に悪性リンパ腫の治療のため同種造血幹細胞移植を受けた患者の初診時の口腔内写真(別冊No. 29)を別に示す。初診時の血液学検査結果の一部を表に示す。 赤血球数:200万/μL ヘモグロビン:8.5 g/μL ヘマトクリット:28% 白血球数:2,000/μL 血小板数:2万/μL 最も考えられるのはどれか。1つ選べ。

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正解: a
正答
a
この問題のポイント
同種造血幹細胞移植後1か月という時期と、広範な口腔粘膜障害から急性移植片対宿主病(GVHD)を考えます。
解説
GVHDはドナー由来免疫細胞が受容者組織を攻撃する病態です。移植後早期の急性GVHDでは皮膚、肝、消化管が主標的となり、口腔にも紅斑、びらん、潰瘍、粘膜炎様病変が現れ得ます。慢性GVHDでは扁平苔癬様白斑、口腔乾燥、開口障害なども重要です。本例は白血球・血小板・赤血球が著減しており、感染・出血リスクにも最大限配慮します。
画像の確認
実画像では、口唇に広範なびらん・出血性痂皮があり、頰粘膜にも発赤と白色偽膜を伴うびらん性病変がみられます。同種移植後1か月という経過と多部位の粘膜障害が、移植後GVHDの口腔病変に合います。
選択肢の確認
a.GVHD
正しい。
同種造血幹細胞移植後に生じる多発性粘膜障害として最も考えられます。
b.類天疱瘡
誤り。
類天疱瘡は自己免疫性水疱症ですが、同種移植直後という時間的関係を説明しにくいです。
c.壊疽性口内炎
誤り。
壊疽性口内炎は重症感染に伴う急速な組織壊死で、写真の多部位びらんの第一診断ではありません。
d.口腔扁平苔癬
誤り。
扁平苔癬に似た病変は慢性GVHDでみられますが、単純な特発性口腔扁平苔癬より移植歴を優先します。
e.全身性エリテマトーデス
誤り。
全身性エリテマトーデスでも口腔潰瘍は生じますが、移植直後の発症経過とは合いません。
覚えるポイント
- 同種移植後の皮膚・肝・消化管・口腔病変はGVHDを疑います。
- 血球減少時の口腔処置では感染と出血の危険を確認します。
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