113C076|第113回 歯科医師国家試験 過去問
3歳の女児。歯の変色を主訴として来院した。1か月前に顔面を強打し徐々に上顎右側乳中切歯の色が変わってきたという。上顎右側乳中切歯の動揺は生理的範囲であり打診痛はない。歯髄電気診に生活反応を示した。初診時の口腔内写真(別冊No. 28A)とエックス線画像(別冊No. 28B)を別に示す。 適切な対応はどれか。1つ選べ。

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正解: a
正答
a
この問題のポイント
外傷後に乳歯が変色しても、生活反応があり、動揺・打診痛・根尖病変がなければ、直ちに歯髄処置をせず経過観察します。
解説
外傷後の灰色調変化は歯髄内出血や血液色素の象牙細管内移行でも生じ、変色だけで歯髄壊死とは断定できません。本例は生理的動揺範囲、打診痛なし、歯髄電気診に反応し、画像上も明らかな根尖病変がありません。定期的に症状、腫脹、瘻孔、動揺、色調、後継永久歯への影響を観察します。乳歯の電気診は信頼性に限界があるため、複数所見を経時的に評価します。
画像の確認
実画像では、Aの上顎右側乳中切歯が隣在歯より灰色調を示しますが、歯冠破折や歯肉腫脹は目立ちません。エックス線画像Bでも明らかな根尖部透過像や病的歯根吸収はみられず、臨床所見と合わせて経過観察が適切です。
選択肢の確認
a.経過観察
正しい。
感染・壊死を示す確実な所見がないため、定期的に経過を確認します。
b.歯髄鎮静法
誤り。
歯髄鎮静法は疼痛を伴う可逆性歯髄炎などで検討し、無症状の外傷歯には不要です。
c.生活歯髄切断
誤り。
生活歯髄切断は露髄や一部歯髄病変などが適応で、本例には侵襲が過大です。
d.抜髄
誤り。
生活反応があり根尖病変もないため、抜髄の適応ではありません。
e.感染根管治療
誤り。
感染根管を示す壊死・根尖病変・瘻孔などがなく、感染根管治療は行いません。
覚えるポイント
- 外傷後変色だけで歯髄壊死と決めません。
- 乳歯は症状・歯肉・画像・生活反応を経時的に総合評価します。
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