113D055|第113回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床口腔外科学

16歳の女子。口腔内の疼痛を主訴として来院した。1週前に感冒様症状があったため内科を受診し内服薬を服用したところ、翌日から発熱、口腔内の疼痛、皮膚の水疱および眼の異物感が出現したという。特記すべき既往はない。初診時の眼の写真(別冊No. 11A)と口腔内写真(別冊No. 11B)を別に示す。 最も考えられるのはどれか。1つ選べ。

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正解: e

正答

e

この問題のポイント

薬剤服用の翌日に発熱、皮膚水疱、結膜炎、広範な口腔粘膜びらんが急発症しています。皮膚粘膜眼症候群であるStevens-Johnson症候群を考えます。

解説

Stevens-Johnson症候群〈SJS〉は、多くは医薬品を契機に発症する重篤な粘膜皮膚反応です。発熱・倦怠感などに続いて、口唇・口腔、眼、外陰部など複数の粘膜に疼痛性びらんを生じ、皮膚には紅斑、水疱、表皮剝離が現れます。表皮剝離面積がより広い中毒性表皮壊死症〈TEN〉と連続する病態です。

疑ったら原因薬を直ちに中止し、皮膚科・眼科を含む専門施設で全身管理します。眼病変は癒着や視機能障害を残し得るため早期対応が必要です。口腔内だけを通常の口内炎として治療せず、「新規薬剤」「発熱」「皮膚」「眼」の組合せを拾います。

画像の確認

実画像では、Aで結膜が強く充血し、眼脂と眼瞼縁の炎症を伴っています。Bでは上下口唇に出血性痂皮が付着し、舌背・口蓋を含む口腔粘膜へ広範なびらんと白色偽膜様付着物がみられます。眼と口腔の複数粘膜病変が同時に存在します。

選択肢の確認

a.GVHD
誤り。
造血幹細胞移植などの既往を前提とする移植片対宿主病で、本例にその背景がありません。

b.帯状疱疹
誤り。
通常は一側性の神経支配領域に疼痛性水疱を生じ、薬剤後の全身性皮膚粘膜障害とは異なります。

c.Behçet病
誤り。
反復性口腔アフタ、外陰部潰瘍、眼炎などを呈しますが、薬剤直後の発熱・水疱・広範びらんという急性経過に合いません。

d.偽膜性カンジダ症
誤り。
擦過可能な白苔が中心で、皮膚水疱や重い結膜炎、出血性口唇炎を一括して説明できません。

e.Stevens-Johnson症候群
正しい。
薬剤を契機とした発熱、皮膚水疱、眼・口腔の重篤な粘膜障害が典型です。

覚えるポイント

  • 新規薬剤+発熱+皮膚水疱+複数粘膜びらん=SJS/TENを疑います。
  • 原因薬中止と緊急の専門的全身管理が必要です。
  • 眼後遺症を防ぐため眼科介入を遅らせません。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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