114B030|第114回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床口腔外科学

耳珠前方に有痛性腫脹を呈するのはどれか。1つ選べ。

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正解: d

正答

d

この問題のポイント

耳珠前方は顎関節部に相当します。急性炎症により同部の有痛性腫脹を生じる疾患として、尿酸塩結晶が関節に沈着する痛風性顎関節炎を選びます。

解説

痛風は高尿酸血症を背景に、尿酸一ナトリウム結晶が関節内や周囲組織に沈着し、好中球主体の強い急性炎症を起こす疾患です。多くは足の第1中足趾節関節に発症しますが、まれに顎関節にも生じます。顎関節に発症すると、耳珠前方の発赤・腫脹・強い圧痛、開口痛、開口制限を呈します。

診断では発症経過、血清尿酸値、他関節の痛風発作歴や痛風結節を確認し、必要に応じて画像検査や関節液中の結晶を評価します。顎関節症は疼痛や関節雑音を生じますが、明らかな炎症性腫脹は典型的ではありません。腫瘍や強直症は一般に慢性的な形態・運動異常が中心です。

選択肢の確認

a.顎関節症
誤り。顎関節痛、咀嚼筋痛、関節雑音、開口障害を生じますが、耳珠前方の明らかな急性炎症性腫脹は典型的ではありません。

b.骨軟骨腫
誤り。下顎頭部に生じると緩徐な顔面非対称、咬合偏位、開口障害などを示し、急性の有痛性腫脹を主徴としません。

c.顎関節強直症
誤り。関節内の線維性または骨性癒着により高度な開口制限を生じますが、耳珠前方の急性有痛性腫脹が代表所見ではありません。

d.痛風性顎関節炎
正しい。尿酸塩結晶による急性関節炎で、顎関節部に発症すると耳珠前方の疼痛、腫脹、開口障害を呈します。

e.リウマチ性顎関節炎
誤り。関節リウマチに伴って両側性の顎関節痛や運動制限を生じ得ますが、本問の局所的な有痛性腫脹の代表は痛風性顎関節炎です。

覚えるポイント

  • 耳珠前方=顎関節部です。
  • 痛風性顎関節炎では急性の疼痛、腫脹、開口制限を生じます。
  • 顎関節症は疼痛・雑音・運動障害、強直症は持続的な開口制限が中心です。

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