114B070|第114回 歯科医師国家試験 過去問
舌背部の腫瘤を主訴として来院した患者の初診時の口腔内写真(別冊No. 24A)と切除時のH-E染色病理組織像(別冊No. 24B)を別に示す。 診断名はどれか。1つ選べ。

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正解: d
正答
d
この問題のポイント
舌の境界明瞭な無痛性腫瘤と、紡錘形細胞の束状配列・核の柵状配列を示す病理像から、神経鞘腫と診断します。
解説
神経鞘腫はSchwann細胞由来の良性腫瘍で、一般に被膜をもち、緩徐に増大する無痛性腫瘤として現れます。口腔内では舌が好発部位です。組織学的には、細胞密度が高く紡錘形細胞が束状に配列するAntoni A型と、疎な間質を示すAntoni B型がみられます。核の柵状配列と、その間の無核帯からなるVerocay小体も特徴です。
治療は周囲組織や由来神経を確認しながらの外科的切除が基本です。血管腫・リンパ管腫は脈管腔、脂肪腫は成熟脂肪細胞、線維腫は密な膠原線維を主体とし、本例の組織像とは異なります。
画像の確認
実画像では、舌背後方に正常粘膜色で表面平滑、境界明瞭な分葉状の隆起性腫瘤がみられます。H-E染色像では紡錘形細胞が束状に増殖し、核の柵状配列を思わせる領域があるため、神経鞘腫に合致します。
選択肢の確認
a.血管腫
誤り。血液を含む拡張した血管腔が組織学的にみられます。
b.脂肪腫
誤り。成熟脂肪細胞の分葉状増殖を主体とする腫瘍です。
c.線維腫
誤り。膠原線維と線維芽細胞の増殖が主体で、特徴的な柵状配列を示しません。
d.神経鞘腫
正しい。舌に好発し、紡錘形Schwann細胞と核の柵状配列を示します。
e.リンパ管腫
誤り。多数の拡張したリンパ管腔を形成し、舌では表面が顆粒状になることがあります。
覚えるポイント
- 神経鞘腫は舌に生じる境界明瞭な良性腫瘍です。
- Antoni A・B型、核の柵状配列、Verocay小体が特徴です。
- 脈管性病変とは臨床色調と組織中の管腔形成で鑑別します。
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