114B073|第114回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床口腔外科学

34歳の女性。舌の知覚麻痺を主訴として来院した。1か月前に他院で下顎左側第三大臼歯を抜去後から自覚し、その後改善しないという。初診時の舌の写真(別冊No. 26A)、エックス線画像(別冊No. 26B)及び下顎左側第三大臼歯部の歯科用コーンビームCT(別冊No. 26C)を別に示す。 行うべきなのはどれか。2つ選べ。

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2つ選択
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正解: a・c

正答

a、c

この問題のポイント

下顎第三大臼歯抜去後の舌知覚麻痺では舌神経損傷を疑います。舌の体性感覚はSWテスト、舌前方部の味覚は濾紙ディスク法で評価します。

解説

舌神経は三叉神経第三枝の枝で、舌前方3分の2の触覚、痛覚、温度覚を伝えます。また鼓索神経線維が合流しているため、同部の味覚にも関与します。下顎第三大臼歯舌側に近接して走行するため、抜歯時に牽引・圧迫・切断されると知覚障害と味覚障害を生じ得ます。

SWテストはSemmes-Weinsteinモノフィラメントで一定の力を加え、触圧覚の閾値を測定します。濾紙ディスク法は基本味溶液を染み込ませた小円形濾紙を舌へ置き、味覚の認知閾値を調べます。健側と患側を比較し、障害範囲と回復経過を記録します。

画像の確認

実画像は、舌左側の症状を確認する口腔内写真と、下顎左側第三大臼歯抜去部のエックス線画像・断層像を示しています。画像だけから神経損傷の程度を断定するのではなく、抜歯後に生じた舌前方部の知覚麻痺という経過から舌神経障害を疑い、一般知覚をSWテスト、味覚を濾紙ディスク法で左右比較して定量評価します。

選択肢の確認

a.SWテスト
正しい。モノフィラメントを用いて舌の触圧覚閾値を評価します。

b.Schirmer試験
誤り。濾紙で涙液分泌量を測定し、ドライアイなどを評価する検査です。

c.濾紙ディスク法
正しい。舌の限局した部位へ味質溶液を提示し、味覚機能を評価します。

d.ドプラ超音波検査
誤り。血流の方向・速度を評価する検査で、舌神経機能の評価ではありません。

e.ブローイング検査
誤り。鼻咽腔閉鎖機能などを評価する検査で、舌知覚麻痺の検査ではありません。

覚えるポイント

  • 舌神経は舌前方3分の2の一般知覚を伝えます。
  • 鼓索神経線維も伴うため、損傷時は味覚も評価します。
  • SWテストは触圧覚、濾紙ディスク法は味覚の検査です。

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