114B081|第114回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床口腔外科学

70歳の男性。舌の腫脹を主訴として来院した。1か月前に自覚したが、痛みがないためにそのままにしていたという。右側舌縁部に易出血性の腫脹を認める。超音波検査、CT及びFDG-PET/CTで頸部リンパ節転移と遠隔転移を認めなかった。初診時の口腔内写真(別冊No. 30A)、造影CT(別冊No. 30B)、口腔内超音波検査の画像(別冊No. 30C)及び生検時のH-E染色病理組織像(別冊No. 30D)を別に示す。 TNM分類(UICC 2017)におけるstage分類はどれか。1つ選べ。

114B081の問題画像
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正解: b

正答

b

この問題のポイント

病理像は舌扁平上皮癌です。腫瘍径10mm、深達度2mmで、頸部リンパ節転移・遠隔転移がないため、UICC第8版ではT1N0M0、Stage Iです。

解説

口腔癌のUICC第8版T分類では、腫瘍最大径と浸潤の深さ〈depth of invasion:DOI〉を組み合わせます。最大径2cm以下かつDOI 5mm以下はT1です。本例は最大径1cm、DOI 2mmなのでT1に該当します。画像検査で領域リンパ節転移と遠隔転移がないためN0、M0です。

口腔癌の病期分類ではT1N0M0がStage I、T2N0M0がStage IIです。上皮内癌はTisでStage 0となります。DOIは表面から腫瘍最深部までの単純な厚さではなく、周囲の正常粘膜基底膜を想定した基準線から最深部までを測定します。

画像の確認

実画像では、右側舌縁に最大径10mmの易出血性病変があり、口腔内超音波画像で深達度は2mmと示されています。病理像では異型扁平上皮細胞が間質へ浸潤し、角化真珠を形成しており、転移なしという検査結果と合わせてT1N0M0、Stage Iです。

選択肢の確認

a.Stage 0
誤り。Stage 0は上皮内癌Tisで、本例は病理学的に間質浸潤を認めます。

b.StageⅠ
正しい。最大径10mm、DOI 2mm、N0M0なのでT1N0M0に該当します。

c.StageⅡ
誤り。Stage IIとなるT2N0M0の大きさ・深達度には達していません。

d.StageⅢ
誤り。T3または一定の領域リンパ節転移を示す所見がありません。

e.StageⅣA
誤り。隣接組織への高度浸潤や該当するリンパ節転移を認めません。

覚えるポイント

  • 口腔癌T1は最大径2cm以下かつDOI 5mm以下です。
  • T1N0M0はStage Iです。
  • UICC第8版の口腔癌T分類では腫瘍径とDOIの両方を用います。

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