114C052|第114回 歯科医師国家試験 過去問
66歳の女性。下顎右側臼歯部歯肉の疼痛を主訴として来院した。3か月前に自覚し、徐々に増悪してきたという。下唇の感覚異常を認めない。初診時の口腔内写真(別冊No. 19A)、エックス線画像(別冊No. 19B)、CT(別冊No. 19C)、FDG-PET/CT(別冊No. 19D)及び生検時のH-E染色病理組織像(別冊No. 19E)を別に示す。 適切な治療はどれか。1つ選べ。

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正解: c
正答
c
この問題のポイント
下顎歯肉の扁平上皮癌では、腫瘍の広がりと下顎骨浸潤の深さから切除範囲を決めます。歯肉に限局し、下顎管へ及ぶ髄質浸潤を認めない病変では、下顎骨の連続性を保つ下顎辺縁切除が選択されます。
解説
下顎歯肉癌の根治治療では、腫瘍を安全域とともに切除します。骨浸潤が表層的または限局的で下顎骨下縁を温存できる場合、下顎辺縁切除により骨の連続性を保てます。下唇の知覚異常は下歯槽神経周囲への進展を疑う所見で、本例では認めません。深い髄質浸潤や下顎管への進展があれば、下顎区域切除を検討します。
画像の確認
実画像では、下顎右側臼歯部歯肉に発赤を伴う不整な病変があり、病理組織像に角化を示す腫瘍胞巣が確認できます。エックス線画像とCTでは下顎骨の連続性を失う広範な髄質浸潤は明らかでなく、FDG-PET/CTも含めた所見から、連続性を温存する切除範囲を設定できます。
選択肢の確認
a.副腎皮質ステロイド軟膏の塗布
誤り。炎症性粘膜疾患への治療であり、扁平上皮癌を根治できません。
b.歯肉切除
誤り。単純な歯肉切除では悪性腫瘍に必要な安全域と骨側の切除が不足します。
c.下顎辺縁切除
正しい。下顎骨の連続性を保ちながら、歯肉腫瘍と隣接骨を安全域を付けて切除します。
d.下顎区域切除
誤り。深い骨浸潤や下顎管進展で適応となりますが、本例の画像所見には過大です。
e.組織内照射
誤り。提示された切除可能な下顎歯肉癌の第一選択ではありません。
覚えるポイント
- 下顎辺縁切除は骨の連続性を保ち、区域切除は連続性を断ちます。
- 骨浸潤の深さ、下顎管との位置関係、知覚異常の有無を確認します。
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