114C053|第114回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床口腔外科学

10歳の女児。上の前歯が生えてこないことを主訴として来院した。初診時の顔面写真(別冊No. 20A)、口腔内写真(別冊No. 20B)及びエックス線画像(別冊No. 20C)を別に示す。 考えられるのはどれか。1つ選べ。

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正解: d

正答

d

この問題のポイント

鎖骨頭蓋骨異形成症は、鎖骨の低形成または欠損、頭蓋縫合・泉門の閉鎖遅延、乳歯の晩期残存、多数の埋伏永久歯や過剰歯を特徴とします。前歯の萌出遅延をみたら、顎骨内の歯数と全身骨格所見を確認します。

解説

鎖骨頭蓋骨異形成症はRUNX2の病的変異に関連する骨・歯の形成異常です。膜性骨化が障害されるため、鎖骨低形成、頭蓋冠の骨化遅延、前頭・頭頂部の膨隆などを生じます。歯科的には乳歯の脱落遅延、多数の過剰歯、永久歯の萌出遅延が重要です。外科的な萌出路確保と矯正牽引などを、歯胚の位置に応じて計画します。

画像の確認

実画像では、10歳時点で上顎前歯の萌出が遅れ、口腔内に乳歯の残存がみられます。エックス線画像では顎骨内に多数の未萌出歯と過剰歯が重なって存在し、顔貌・頭蓋所見と合わせて鎖骨頭蓋骨異形成症に特徴的です。

選択肢の確認

a.軟骨無形成症
誤り。四肢短縮型の低身長が主で、多数の過剰歯と埋伏歯は典型的ではありません。

b.Goldenhar症候群
誤り。眼・耳・椎骨の異常や顔面非対称を特徴とします。

c.Robinシークエンス
誤り。小下顎、舌根沈下、気道障害、口蓋裂などを特徴とします。

d.鎖骨頭蓋骨異形成症
正しい。多数の過剰歯・埋伏歯と永久歯萌出遅延が診断の手掛かりです。

e.Treacher Collins症候群
誤り。頰骨・下顎骨低形成、外耳異常、下眼瞼の異常などを特徴とします。

覚えるポイント

  • 多数の過剰歯、埋伏永久歯、乳歯晩期残存から鎖骨頭蓋骨異形成症を疑います。
  • 歯の所見と、鎖骨・頭蓋の膜性骨化異常を結び付けます。

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