114C077|第114回 歯科医師国家試験 過去問
59歳の女性。抜歯後の治癒不全を主訴として来院した。2か月前、近医で上顎左側第二小臼歯を抜去したという。貧血の既往がある。上顎左側に疼痛と腫脹を認める。初診時の口腔内写真(別冊No. 34A)、エックス線画像(別冊No. 34B)及びCT(別冊No. 34C)を別に示す。 治癒不全の発症に関連すると考えられるのはどれか。1つ選べ。

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正解: b
正答
b
この問題のポイント
大理石骨病では破骨細胞による骨吸収が障害され、全身の骨がびまん性に硬化します。骨髄腔の狭小化による貧血と、血流に乏しい硬化骨での感染抵抗性低下により、抜歯後治癒不全や顎骨骨髄炎を生じやすくなります。
解説
大理石骨病は骨量が増えて画像上は高濃度になりますが、正常な骨改造ができず、脆弱性と治癒障害を伴います。骨髄腔が減少すると造血が障害され、貧血の既往も診断の手掛かりになります。抜歯などで感染が硬化骨へ及ぶと抗菌薬や免疫細胞が到達しにくく、慢性骨髄炎や腐骨形成につながります。侵襲的処置前には全身状態と画像を評価し、感染予防と長期的な創部管理を行います。
画像の確認
実画像では、抜歯部周囲の上顎左側臼歯部に発赤・腫脹と治癒していない創がみられます。パノラマ画像とCTでは顎骨全体の骨硬化、髄腔・上顎洞の狭小化、抜歯部周囲の不整な骨変化が確認でき、びまん性骨硬化を背景とする治癒障害に合致します。
選択肢の確認
a.骨粗鬆症
誤り。骨量減少によりエックス線透過性が増す病態で、びまん性骨硬化とは逆です。
b.大理石骨病
正しい。骨硬化、骨髄腔狭小化、貧血、抜歯後の骨髄炎・治癒不全を説明できます。
c.線維性異形成症
誤り。すりガラス状の限局性膨隆病変を形成しますが、全顎的な骨硬化と造血障害は典型的でありません。
d.基底細胞母斑症候群
誤り。多発性顎骨角化囊胞や基底細胞癌などを特徴とし、びまん性骨硬化を生じません。
e.副甲状腺機能亢進症
誤り。骨吸収亢進により骨塩量低下や褐色腫、歯槽硬線消失などを生じます。
覚えるポイント
- 大理石骨病は「高濃度だが脆く、治りにくい骨」です。
- 骨髄腔狭小化による貧血と、抜歯後骨髄炎を結び付けます。
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