114C078|第114回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床小児歯科学

4歳の女児。下顎左側乳中切歯の変色を主訴として来院した。1年前に同歯を受傷し、3か月前から変色してきたという。歯髄電気診で生活反応を示した。初診時の口腔内写真(別冊No. 35A)とエックス線画像(別冊No. 35B)を別に示す。 下顎左側乳中切歯の所見で正しいのはどれか。1つ選べ。

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正解: e

正答

e

この問題のポイント

乳歯外傷後、生活反応を保ったまま歯冠が黄褐色に変化し、エックス線画像で歯髄腔が狭くなる所見は歯髄腔狭窄です。外傷刺激を受けた生活歯髄が硬組織を過剰に形成することで起こります。

解説

歯髄腔狭窄はcalcific metamorphosis、歯髄腔閉塞とも呼ばれ、外傷後に象牙芽細胞様細胞が修復象牙質を形成することで髄腔・根管が狭くなります。黄色調の変色を示しながら生活反応が残ることが多く、症状や根尖病変がなければ直ちに根管治療を行わず経過観察します。後継永久歯への影響や根尖部病変の出現を、定期的な臨床・画像検査で確認します。

画像の確認

実画像では、下顎左側乳中切歯は隣在乳切歯より黄褐色調を帯びています。エックス線画像では同歯の歯髄腔・根管腔が隣在歯より細く不明瞭で、明らかな歯根破折線や髄腔の風船状拡大は認めません。

選択肢の確認

a.骨性癒着
誤り。歯根膜腔の消失や低位咬合、金属音などが手掛かりで、本例の髄腔変化を説明しません。

b.歯根破折
誤り。歯根を横切る破折線や歯片の偏位を認めません。

c.歯根彎曲
誤り。歯根形態の屈曲ではなく、歯髄腔自体が狭くなっています。

d.内部吸収
誤り。根管内から象牙質が吸収され、髄腔が境界明瞭に拡大する像を示します。

e.歯髄腔狭窄
正しい。外傷後の硬組織形成により髄腔・根管が狭小化した所見です。

覚えるポイント

  • 外傷後の黄変、生活反応陽性、髄腔狭小化は歯髄腔狭窄です。
  • 内部吸収は髄腔拡大、歯髄腔狭窄は髄腔縮小と対比します。

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