114D049|第114回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床口腔外科学

78歳の女性。口底部の腫脹を主訴として来院した。6か月前に自覚したが、疼痛がないためそのままにしていたところ、徐々に大きくなってきたという。左側舌下小丘からの唾液の排出は良好で、舌の知覚異常はみられない。初診時の口腔内写真(別冊No. 13A)、MRI脂肪抑制T2強調像(別冊No. 13B)及び生検時のH-E染色病理組織像(別冊No. 13C)を別に示す。 適切な治療法はどれか。1つ選べ。

114D049の問題画像
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正解: d

正答

d

この問題のポイント

口底の無痛性嚢胞状腫脹、MRIの液体性病変、粘液漏出を示す組織像から舌下型ガマ腫と診断し、原因となる舌下腺を摘出します。

解説

ガマ腫は舌下腺から漏出した粘液が口底に貯留する粘液嚢胞で、多くは真の上皮性嚢胞壁をもちません。舌下型では顎舌骨筋より上方の口底に限局して、青みを帯びた波動性腫脹を形成します。MRI脂肪抑制T2強調像では水分の多い内容液が高信号となり、病理では粘液貯留と周囲の肉芽組織・泡沫細胞、隣接する舌下腺組織がみられます。

開窓術だけでは原因腺から粘液が流出し続けて再発しやすいため、成人の再発予防には病変と原因となる舌下腺の口腔内摘出が適切です。顎下腺管の開口から唾液排出が良好で、舌知覚異常もないため、顎下腺摘出や舌神経を対象とする処置は不要です。

画像の確認

実画像では、Aの左側口底に表面平滑な半球状腫脹があり、Bでは同部に境界明瞭な強いT2高信号の液体性病変がみられます。Cでは舌下腺腺房の隣に上皮性被覆を欠く広い粘液貯留と炎症細胞・肉芽組織があり、粘液漏出型のガマ腫に一致します。

選択肢の確認

a.開窓
誤り。
一時的に減圧できますが、原因となる舌下腺が残るため再発率が高くなります。

b.穿刺吸引
誤り。
内容液を除去しても再貯留し、根治治療にはなりません。

c.顎下腺摘出
誤り。
顎下腺管からの排出は良好で、病変の由来は舌下腺です。

d.舌下腺摘出
正しい。
粘液漏出源を除去し、ガマ腫の再発を防ぐ根治的治療です。

e.放射線治療
誤り。
良性の粘液漏出性病変であり、放射線治療の適応ではありません。

覚えるポイント

  • ガマ腫の多くは舌下腺由来の粘液漏出嚢胞です。
  • MRI T2強調像で液体は高信号を示します。
  • 成人の根治には原因舌下腺の摘出を検討します。

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