114D050|第114回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床小児歯科学

6歳の男児。嚙む時に軽い痛みがあることを主訴として来院した。下顎右側の奥歯に硬いものがあるという。矢印で硬固物を示した初診時の口腔内写真(別冊No. 14A)と摘出した硬固物の病理組織像(別冊No. 14B)を別に示す。 考えられるのはどれか。1つ選べ。

114D050の問題画像
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正解: a

正答

a

この問題のポイント

歯肉から露出する硬組織と、核を失った骨小腔をもつ壊死骨の組織像から、萌出した硬固物は腐骨です。

解説

腐骨は血流を失って壊死し、生活骨から分離した骨片です。感染や外傷、骨膜の障害などにより局所の骨が壊死すると、周囲で吸収・分離が進み、歯肉や粘膜から口腔内へ排出されることがあります。露出部は咬合時の刺激で軽い疼痛の原因になります。

病理組織では層板構造をもつ骨基質が確認できる一方、多数の骨小腔が空虚で、生活骨にみられる骨細胞の核がありません。この所見が壊死骨の決め手です。象牙質には象牙細管、エナメル質にはエナメル小柱、セメント質には特徴的なセメント質構造がみられ、食物残渣は硬組織の層板構造を示しません。

画像の確認

実画像では、Aで下顎右側最後方乳臼歯の遠心歯肉から黄白色の硬い小片が露出し、矢印で示されています。Bでは層板状の骨基質内に多数の空虚な骨小腔がみられ、表面には細菌塊・壊死物が付着しており、腐骨の像です。

選択肢の確認

a.腐骨
正しい。
生活骨から分離した壊死骨片で、空虚な骨小腔を示します。

b.象牙質
誤り。
象牙質なら象牙細管が規則的に走行しますが、画像は骨の層板と骨小腔を示します。

c.食物残渣
誤り。
組織学的な骨基質・骨小腔をもつことはありません。

d.エナメル質
誤り。
エナメル質は高度石灰化したエナメル小柱からなり、骨小腔をもちません。

e.セメント質
誤り。
歯根表面の硬組織であり、本像のような壊死骨片の所見とは異なります。

覚えるポイント

  • 腐骨は壊死して生活骨から分離した骨片です。
  • 病理では空虚な骨小腔が重要です。
  • 象牙細管・エナメル小柱との違いを確認します。

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