114D065|第114回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床口腔外科学

83歳の男性。口底部の腫脹を主訴として来院した。4か月前に自覚したが、痛みがないためそのままにしていたという。同部に弾性硬の腫脹を認める。初診時の口腔内写真(別冊No. 21 A、CT(別冊No. 21B)、MRI(別冊No. 21 C、FDG-PET/CT(別冊No. 21D)及び生検時のH-E染色病理組織像(別冊No. 21E)を別に示す。 適切な対応はどれか。1つ選べ。

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正解: e

正答

e

この問題のポイント

口底腫瘤の画像と角化を伴う腫瘍胞巣の病理像から扁平上皮癌と診断し、安全域を付けて切除します。

解説

口腔扁平上皮癌は、硬結を伴う腫瘤・潰瘍として現れ、痛みが乏しいまま増大することがあります。病理では異型扁平上皮細胞が間質へ浸潤して胞巣を作り、角化真珠や細胞間橋を示します。本例は弾性硬の口底腫脹、画像上の充実性腫瘤とFDG集積、角化性腫瘍胞巣から悪性腫瘍です。

治療は腫瘍の大きさ・深達度・隣接組織浸潤と頸部リンパ節転移を評価し、原発巣を安全域とともに切除するのが基本です。被膜性良性腫瘍のような摘出では不十分です。必要に応じて頸部郭清や再建、放射線・薬物療法を組み合わせます。経過観察、排膿、開窓は悪性腫瘍への対応になりません。

画像の確認

実画像では、Aで左側口底に表面不整で発赤した充実性腫瘤があり、CT・MRIでは口底軟組織内に境界不整な腫瘤が描出されています。Dでは病変部に強いFDG集積があり、Eでは間質へ浸潤する扁平上皮性腫瘍胞巣と同心円状の角化真珠が確認できます。

選択肢の確認

a.経過観察
誤り。
浸潤性悪性腫瘍であり、無治療での経過観察は適切ではありません。

b.切開排膿
誤り。
膿瘍ではなく充実性の扁平上皮癌で、排膿する内容をもちません。

c.開窓
誤り。
嚢胞性病変への処置であり、浸潤癌には適用しません。

d.摘出
誤り。
腫瘤だけを核出する処置では顕微鏡的浸潤を取り残すため不十分です。

e.切除
正しい。
周囲に安全域を設定し、浸潤範囲を含めて一塊に切除します。

覚えるポイント

  • 扁平上皮癌の病理所見は浸潤胞巣・角化真珠・細胞間橋です。
  • 悪性腫瘍は安全域を付けた切除が基本です。
  • 摘出は被膜性良性病変、切除は周囲組織を含める処置です。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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