114D072|第114回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床口腔外科学

47歳の男性。左側下唇の知覚異常を主訴として来院した。数か月前に自覚したが、痛みがないためそのままにしていたところ、徐々に左側下顎が腫脹してきたという。左側下顎角部に骨様硬の膨隆を触知し、左側下唇に知覚低下を認める。初診時の口腔内写真(別冊No. 24A)、エックス線画像(別冊No. 24B、CT(別冊No. 24C、FDG-PET/CT(別冊No. 24D)及び生検時のH-E染色病理組織像(別冊No. 24E)を別に示す。 診断名はどれか。1つ選べ。

114D072の問題画像
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正解: a

正答

a

この問題のポイント

下唇知覚低下、急速な顎骨破壊、FDG集積、腫瘍性類骨形成から骨肉腫と診断します。

解説

骨肉腫は悪性間葉系腫瘍細胞が類骨または骨を直接形成する腫瘍です。顎骨では四肢長管骨の骨肉腫より高い年齢層にも生じ、腫脹、疼痛、歯の動揺、知覚異常などを呈します。画像では骨破壊と不規則な骨形成、皮質骨の破壊、周囲軟組織への進展がみられます。確定診断の要点は、病理組織で異型間葉系細胞に接して腫瘍性類骨が形成されていることです。

エナメル上皮腫や中心性巨細胞肉芽腫は通常、腫瘍性類骨を形成しません。線維性異形成症の骨梁には著明な細胞異型を伴いません。

画像の確認

実画像では、左下顎臼歯部に骨様硬の膨隆があり、パノラマ像とCTでは左下顎体部の不整な骨破壊と皮質骨断裂を認めます。FDG-PET/CTでは同部に強い集積があり、病理像では異型の強い腫瘍細胞間に好酸性の類骨形成がみられます。

選択肢の確認

a.骨肉腫
正しい。
悪性間葉系細胞による腫瘍性類骨形成が診断の決め手です。

b.扁平上皮癌
誤り。
角化や癌胞巣を形成する上皮性悪性腫瘍で、類骨形成とは異なります。

c.エナメル上皮腫
誤り。
歯原性上皮性腫瘍で、典型的には多房性透過像を示し腫瘍性類骨を作りません。

d.線維性異形成症
誤り。
線維性間質内に未熟骨を形成しますが、悪性細胞異型を示す腫瘍ではありません。

e.中心性巨細胞肉芽腫
誤り。
多核巨細胞と紡錘形細胞を主体とし、悪性類骨形成はみられません。

覚えるポイント

  • 骨肉腫の定義は腫瘍細胞による類骨形成です。
  • 下唇知覚低下は下歯槽神経領域への浸潤を疑う警告所見です。
  • 画像所見と生検病理を統合して診断します。

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