115A022第115回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯内療法学

30 歳の女性。上顎右側第一小臼歯の咬合痛を主訴として来院した。半年前から 歯間部の食片圧入を自覚していたがそのままにしていたところ、最近になって症状 が出るようになったという。自発痛はなく、冷温刺激に反応を示さなかった。初診 時の口腔内写真 (別冊No. 1A とエックス線画像 (別冊No. 1B を別に示す。 診断に有効なのはどれか。 1つ選べ。

115A022の問題画像
解答・解説を見る

正解: c

正答

c

この問題のポイント

冷温刺激に反応しない歯について、歯髄の感覚反応を追加評価する検査を選ぶ問題です。う蝕の検出検査と、歯髄・根尖歯周組織の診断検査を区別します。

解説

症例を整理すると、上顎右側第一小臼歯には食片圧入の既往があり、最近になって咬合痛が出現しています。自発痛はなく、冷温刺激には反応していません。

冷温刺激に反応しない場合は、歯髄壊死などによって歯髄の知覚反応が失われている可能性があります。そこで、別の歯髄感覚検査である歯髄電気診を行い、患歯の反応を健全な対照歯と比較します。

歯髄電気診は歯髄内の神経線維の反応を調べる検査です。歯髄血流そのものを測る検査ではないため、単独で生活歯・失活歯を断定せず、温度診、エックス線検査、打診などと合わせて診断します。

画像の確認

実画像では、上顎小臼歯の隣接面から咬合面に及ぶ実質欠損と暗色部がみられ、デンタルエックス線写真でも透過像が歯髄腔近くまで及んでいる。画像だけでは歯髄の生活反応は判定できないため、歯髄電気診で生活性を確認するという正答判断を支える。

選択肢の確認

a.打 診
誤り。
打診は主として歯根膜や根尖歯周組織の炎症を評価します。咬合痛の原因確認には役立ちますが、歯髄の生活反応を直接評価する検査ではありません。

b.麻酔診
誤り。
麻酔診は痛みの原因歯が特定できない場合に、局所麻酔で症状が消える範囲を利用して原因部位を絞り込む検査です。本症例のように患歯が示され、歯髄反応の評価が必要な場面で第一に選ぶ検査ではありません。

c.歯髄電気診
正しい。
電気刺激に対する歯髄神経の反応を調べます。冷温刺激に反応しない患歯で、歯髄感覚の有無を追加確認するのに有効です。

d.動揺度測定
誤り。
動揺度は歯周組織の支持状態、咬合性外傷、歯根破折などを評価する検査です。歯髄の生活反応を判定する検査ではありません。

e.レーザー蛍光強度測定
誤り。
レーザー蛍光強度測定は、う蝕病変を数値化して検出する補助検査です。歯髄が生活しているか、壊死しているかを調べる目的には適しません。

覚えるポイント

  • 温度診と歯髄電気診は歯髄感覚検査です。
  • 打診は歯根膜・根尖歯周組織の炎症を主に評価します。
  • 歯髄電気診は血流検査ではないため、対照歯との比較と複数検査の組合せが重要です。

関連問題

115A021115A023
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)