115B024第115回 歯科医師国家試験 過去問

社会歯科法規・医療制度

72 歳の女性。上下顎全部床義歯の不適合による咀嚼困難を主訴として来院した。 義歯は 5年前に製作したという。診察の結果、全部床義歯を新製することとした。 通法に従い咬合採得後、半調節性咬合器に模型を装着した。装着後、ある下顎位に おける咬合記録を採得し、咬合器を調節することとした。調節のための咬合記録時 の写真 (別冊No. 4A と半調節性咬合器の写真 (別冊No. 4B を別に示す。 この記録を用いて調節するのはどれか。 2つ選べ。

115B024の問題画像
2つ選択
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正解: a・c

正答

a、c

この問題のポイント

偏心位の咬合記録を用いて、半調節性咬合器の顆路指導部を患者の下顎運動に近づけます。側方位の記録では、非作業側顆頭の前下内方運動を再現するための調節が重要です。

解説

全部床義歯の製作では、咬頭嵌合位だけでなく、前方運動や側方運動時の咬合関係を咬合器上で再現する必要があります。そのため、偏心位でチェックバイトを採得し、半調節性咬合器の顆路を調節します。

側方運動では、非作業側の下顎頭が前方・下方・内方へ移動します。この運動を再現するため、一般に次の顆路要素を調節します。

  • 矢状面での前下方運動を規定する矢状顆路傾斜
  • 水平面での内方運動を規定する側方顆路角

画像中のアとウは、これらの顆路調節部に該当します。

ひっかけポイント
チェックバイトで調節するのは、患者固有の顆路運動を再現する部分です。切歯指導部は人工歯排列や前歯誘導と関係しますが、同じ記録だけで自動的に決まるものではありません。

画像の確認

実画像では、咬合床の正中白線が上下で側方へずれた偏心位の咬合記録と、半調節性咬合器の調節部ア〜オが示されている。アは上部の顆路指導部、ウは側方運動に関係する調節部として位置づけられ、この側方チェックバイトで調節する二部位としてa、cを選べる。

選択肢の確認

a.ア
正しい。
アは、この偏心位咬合記録を用いて調節する顆路指導部の一つです。非作業側顆頭の前下方運動を咬合器上に反映させます。

b.イ
誤り。
イは、この記録によって調節する対象として示された部位ではありません。偏心位記録では、まず顆路指導部を患者の運動に合わせます。

c.ウ
正しい。
ウも、この偏心位咬合記録を用いて調節する顆路指導部です。非作業側顆頭の内方運動に関係する調節を行います。

d.エ
誤り。
エは、この記録で調節する顆路要素には該当しません。画像では顆路指導部と切歯指導部を区別する必要があります。

e.オ
誤り。
オは、この偏心位咬合記録による調節対象ではありません。患者固有の顆路運動を設定する部位を選ぶことが重要です。

覚えるポイント

  • 偏心位のチェックバイトは、半調節性咬合器の顆路調節に用います。
  • 側方運動では、非作業側顆頭が前下内方へ移動します。
  • 顆路指導部と切歯指導部を、咬合器の写真上で区別できるようにします。

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