115B058第115回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床保存修復学

47 歳の女性。上顎左側小臼歯部の口腔清掃時の違和感を主訴として来院した。 検査の結果、 4にメタルインレー修復を行うこととした。患者は金属修復に同意 しているが、目立たないようにと希望している。初診時の口腔内写真 (別冊No. 25 A とエックス線画像 (別冊No. 25B を別に示す。 窩洞形成で正しいのはどれか。 1つ選べ。

115B058の問題画像
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正解: d

正答

d

この問題のポイント

メタルインレー窩洞では、鋳造体の適合、応力集中の回避、歯質保存を考えて形成します。凸隅角部を曲面にすることが正しい処置です。

解説

症例では、上顎左側小臼歯にメタルインレー修復を行います。患者は金属修復に同意していますが、できるだけ目立たないことを希望しているため、不要な頰側開放や広範な歯質削除を避けます。

間接修復物は窩洞外で製作し、完成した鋳造体を一定の方向から窩洞へ装着します。そのため、アンダーカットを避け、適切な挿入路を付与する必要があります。

窩洞の凸隅角部を曲面にすると、ワックスパターンや鋳造体の適合が得やすくなり、修復物と歯質への応力集中も軽減できます。鋭い隅角は、鋳造体の不適合や歯質破折の原因となり得ます。

治療選択のポイント
金属を目立たせないためには、齲蝕除去と修復物の強度に必要な範囲に窩洞を限定し、頰側歯質を可能な限り保存します。

画像の確認

実画像では、上顎左側小臼歯の頰側歯質は外観上保たれ、咬翼法エックス線写真では隣接面側に限局した透過像を評価できる。金属を頰側へ不用意に露出させず鋳造修復物を適合させるには、窩洞の凸隅角を滑らかな曲面にする必要があるため、dを選ぶ根拠になる。

選択肢の確認

a.鳩尾形を付与する。
誤り。
鳩尾形は脱離抵抗を得る方法の一つですが、必要性のない症例で付与すると健全歯質を過剰に削除します。本症例で必須の形成ではありません。

b.窩洞を頰側に開放する。
誤り。
頰側へ開放すると金属辺縁が見えやすくなり、患者の審美的希望に反します。必要な範囲で頰側歯質を保存します。

c.スライス式窩洞とする。
誤り。
スライス式窩洞は隣接面を広く開放するため金属が露出しやすく、健全歯質の削除量も増えます。本症例の審美的要求には適しません。

d.凸隅角部を曲面にする。
正しい。
鋭い隅角を避けることで、印象・ワックス形成・鋳造体の適合を良好にし、応力集中を軽減します。

e.窩縁にラウンドベベルを付与する。
誤り。
ラウンドベベルは主に接着性修復などで用いられる形態です。メタルインレーでは材料と部位に応じた適切な金属用ベベルを設計し、すべての窩縁にラウンドベベルを付与するわけではありません。

覚えるポイント

  • インレー窩洞ではアンダーカットを避け、挿入路を確保します。
  • 鋭い隅角を避けて曲面化し、応力集中と不適合を防ぎます。
  • 審美的要求がある場合は、不要な頰側開放を避けます。

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