119A046|第119回 歯科医師国家試験 過去問
72 歳の男性。上顎左側小臼歯部の食片圧入を主訴として来院した。診察の結果、 5 に従来型グラスアイオノマーセメント修復を行うこととした。初診時の口腔内 写真(別冊No. 10A)、エックス線画像(別冊No. 10B)及び処置の操作過程の写真 (別冊No. 10C、D)を別に示す。 操作過程D の後に接着性向上を目的として行うのはどれか。1 つ選べ。

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正解: e
正答
e
この問題のポイント
従来型グラスアイオノマーセメントの接着性を高める前処理には、ポリアクリル酸系のデンティンコンディショナーを用います。
解説
従来型グラスアイオノマーセメントは、カルボキシル基と歯質中カルシウムとのイオン結合により歯質へ化学的に接着します。窩洞形成後にデンティンコンディショナーを作用させると、切削で生じたスミヤー層を穏やかに除去し、歯質表面を清浄化して接着を改善できます。
強いリン酸処理やレジン用ボンディング材は、従来型グラスアイオノマーセメントの標準的な前処理ではありません。処理後は製品指示に従って水洗・乾燥し、過乾燥を避けます。
画像の確認
実画像A・Bでは上顎左側第二小臼歯の隣接面齲蝕が確認でき、Cで罹患歯質を除去し、Dでマトリックスとウェッジを装着して修復形態を整えている。従来型グラスアイオノマーセメント充塡前にデンティンコンディショナーを塗布し、スメア層を調整して歯質への接着を高める。
選択肢の確認
a.ベベルの付与
誤り。
ベベルは主にコンポジットレジン修復で接着面積や審美的移行を得るために検討します。従来型グラスアイオノマーセメントの接着性向上を目的とする処理ではありません。
b.NaClO の塗布
誤り。
NaClOは有機質溶解・消毒作用をもちますが、従来型グラスアイオノマーセメント修復の標準的な歯面処理ではありません。
c.ボンディング材の塗布
誤り。
レジン系ボンディング材はコンポジットレジンなどの接着に用います。従来型グラスアイオノマーセメントは歯質と直接イオン結合します。
d.リン酸エッチング材の塗布
誤り。
リン酸エッチングは歯質を強く脱灰し、従来型グラスアイオノマーセメントの標準的コンディショニングには強すぎます。
e.デンティンコンディショナーの塗布
正しい。
デンティンコンディショナーはスミヤー層を穏やかに除去して歯質表面を整え、グラスアイオノマーセメントの化学的接着を高めます。
覚えるポイント
- 従来型グラスアイオノマーセメントにはデンティンコンディショナーを用います。
- 接着はカルボキシル基と歯質カルシウムのイオン結合です。
- 強いリン酸エッチングやレジンボンディングとは区別します。