115B082第115回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床小児歯科学

7歳の男児。上顎左側乳中切歯が生え代わらないことを主訴として来院した。A は 6か月前に脱落し、後継永久歯が萌出してきたという。 3歳ころに上顎乳前歯部 に外傷の既往がある。診察と検査の結果、Aを抜歯することとした。初診時の口 腔内写真 (別冊No. 37A とエックス線画像 (別冊No. 37B を別に示す。 抜歯の根拠はどれか。 2つ選べ。

115B082の問題画像
2つ選択
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正解: c・d

正答

c、d

この問題のポイント

乳歯外傷後に永久歯の萌出遅延がみられる場合は、残存乳歯の状態後継永久歯の萌出障害を画像で評価します。抜歯は、乳歯を残す不利益が保存利益を上回ると判断したときに行います。

解説

3歳頃の上顎乳前歯部外傷は、乳歯歯根だけでなく、近接する後継永久歯胚へ影響することがあります。後継永久歯では、萌出方向異常、歯冠・歯根の形成異常、萌出遅延などが生じる可能性があります。

7歳では上顎中切歯の交換期にあたります。反対側の乳中切歯が脱落して後継永久歯が萌出している一方、患側乳歯が残っている場合は、単なる左右差だけでなく、次の所見を確認します。

  • 乳歯に生理的歯根吸収が起きているか
  • 乳歯が骨性癒着していないか
  • 後継永久歯の位置・方向・歯根形成段階
  • 残存乳歯が永久歯の萌出路を妨げているか

本問では、画像でcとdに示された所見が、Aを残すより抜歯して永久歯の萌出を促す根拠になります。

画像の確認

実画像では、反対側の上顎永久中切歯が萌出しているのに対し、患側には小さな乳中切歯Aが残存し、その歯根部が口腔内に露出している。エックス線写真でも後継の上顎左側中切歯が萌出せず左右差が明瞭である。したがってAの歯根露出と後継中切歯の萌出遅延というc、dが抜歯根拠となる。

選択肢の確認

a.選択肢a(問題画像参照)
誤り。
画像のaに示された所見は、Aを直ちに抜歯する根拠には該当しません。乳歯保存の可否は永久歯の萌出障害との関係で判断します。

b.選択肢b(問題画像参照)
誤り。
画像のbに示された所見だけでは、Aを抜歯する十分な根拠になりません。歯根と後継永久歯の位置関係を合わせて評価します。

c.選択肢c(問題画像参照)
正しい。
画像のcに示された所見は、Aの正常な交換が期待しにくい、またはAが後継永久歯の萌出を妨げていることを示し、抜歯根拠になります。

d.選択肢d(問題画像参照)
正しい。
画像のdに示された所見も、後継永久歯を適切に萌出させるためにAを除去すべき根拠となります。

e.選択肢e(問題画像参照)
誤り。
画像のeに示された所見は、本症例でAを抜歯する直接的な根拠には該当しません。

覚えるポイント

  • 乳歯外傷は、後継永久歯の形成・位置・萌出へ影響することがあります。
  • 交換期の乳歯残存では、生理的歯根吸収と後継永久歯の萌出路を確認します。
  • 画像選択肢では、乳歯を抜く理由と永久歯を守る理由を結びつけます。

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