115C030|第115回 歯科医師国家試験 過去問
舌の違和感を主訴として来院した患者の口腔内写真 (別冊No. 6A 、生検時の H-E 染色病理組織像 (別冊No. 6B 及びCongo-Red 染色病理組織像 (別冊No. 6C を別に示す。 診断名はどれか。 1つ選べ。

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正解: e
正答
e
この問題のポイント
Congo-Red染色で陽性となる無構造物質はアミロイドです。舌にアミロイドが沈着すると、腫大、硬結、結節、違和感などを生じます。
解説
アミロイドーシスは、異常に折りたたまれたタンパク質が細胞外へ沈着し、組織機能を障害する疾患群です。全身性と限局性があり、口腔では舌が代表的な沈着部位です。
口腔内写真では舌の腫大や表面の凹凸・結節性変化を確認します。H-E染色では、粘膜下や筋線維間、血管周囲などに、淡い好酸性の無構造物質が沈着します。
Congo-Red染色ではアミロイドが橙赤色から赤色に染まり、偏光顕微鏡下では黄緑色の複屈折、いわゆるapple-green birefringenceを示します。これが診断上重要です。
全身性アミロイドーシスが疑われる場合は、心臓、腎臓、末梢神経、血液疾患などの評価が必要です。舌病変だけで終わらせず、医科と連携します。
病理像で見るポイント
好酸性無構造物質を見つけ、Congo-Red染色の陽性所見を確認します。上皮内の棘融解や真菌菌糸とは異なります。
画像の確認
実画像では、舌が幅広く腫大し、組織像では粘膜下から筋層・血管周囲に淡い好酸性の無構造物質が広く沈着している。別染色で同部が赤橙色に染まる所見も合わせ、アミロイド沈着を示す正答eを支える。
選択肢の確認
a.白板症
誤り。
臨床的に擦過して除去できない白色病変です。病理では過角化や上皮異形成を評価しますが、Congo-Red陽性物質の沈着を特徴としません。
b.尋常性天疱瘡
誤り。
上皮内の棘融解による水疱・びらんを生じます。病理では基底細胞直上の裂隙を認め、直接蛍光抗体法が診断に用いられます。
c.正中菱形舌炎
誤り。
舌背正中後方に境界明瞭な発赤・乳頭萎縮を認める病変です。アミロイド沈着を示す疾患ではありません。
d.口腔カンジダ症
誤り。
Candidaによる真菌感染症で、偽膜、紅斑、口角炎などを生じます。PAS染色などで菌糸を確認します。
e.アミロイドーシス
正しい。
H-E染色で好酸性無構造物質が沈着し、Congo-Red染色で陽性となることが診断の決め手です。
覚えるポイント
- アミロイドはCongo-Red染色陽性です。
- 偏光下で黄緑色の複屈折を示します。
- 舌アミロイドーシスでは全身疾患の検索が必要です。