115C031第115回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科矯正学

18 歳の女子。顎の偏位を主訴として来院した。中学生のころから気付いていた がそのままにしていたという。診断をした結果、術前矯正治療後に顎矯正手術を行 うこととした。初診時の顔貌写真 (別冊No. 7A 、口腔内写真 (別冊No. 7B 、パノ ラマエックス線画像 (別冊No. 7C 及び側面と正面の頭部エックス線規格写真 (別冊 No. 7D を別に示す。 適応となるのはどれか。 2つ選べ。

115C031の問題画像
2つ選択
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正解: c・e

正答

c、e

この問題のポイント

顔貌と正面頭部エックス線規格写真では下顎の左右的偏位を認めます。下顎骨全体を三次元的に移動できる下顎枝垂直骨切り術と下顎枝矢状分割術が適応になります。

解説

症例は18歳で、成長終了に近い時期の顎偏位です。顔貌ではオトガイと下顔面の左右差があり、口腔内では上下顎歯列正中の不一致と左右で異なる咬合関係を認めます。正面頭部エックス線規格写真では、下顎骨の左右的非対称を評価します。

Robinson 法は下顎枝垂直骨切り術に相当します。下顎枝を垂直方向に骨切りし、遠位骨片を移動させる術式で、下顎後退や左右差の大きい非対称症例に用いられます。

Obwegeser-Dal Pont 法は下顎枝矢状分割術です。下顎枝を矢状方向に分割するため骨片の接触面積が広く、下顎骨を前後・上下・左右へ移動し、プレートやスクリューで固定できます。

一方、Köle 法は下顎前歯部、Wassmund 法は上顎前歯部の歯槽骨切り術です。Dingman 法は下顎骨体部を短縮する術式であり、いずれも下顎枝を介して下顎骨全体の偏位を修正する代表術式ではありません。

症例問題の解き方
顎偏位では、歯だけの正中ずれか、下顎骨全体の非対称かを見分けます。骨格性非対称では、下顎枝部で骨切りし、下顎骨全体を移動できる術式を選びます。

画像の確認

実画像では、正貌でオトガイ部と下顔面の左右非対称、口腔内で上下正中の不一致があり、正面頭部エックス線像でも下顎骨格の偏位を確認できる。下顎全体の左右的位置を修正できる下顎枝矢状分割術と下顎枝垂直骨切り術に当たる正答c、eが画像所見に合う。

選択肢の確認

a.Köle 法
誤り。
Köle 法は下顎前歯部歯槽骨切り術です。前歯部歯槽骨片の位置を変える術式で、下顎骨全体の左右的偏位を修正する代表術式ではありません。

b.Dingman 法
誤り。
Dingman 法は下顎骨体部の一部を切除・短縮する術式です。適応は限定され、顔面非対称に対して下顎枝部で全体を移動する本症例の代表的選択ではありません。

c.Robinson 法
正しい。
Robinson 法は下顎枝垂直骨切り術です。下顎後方移動や左右差を伴う下顎非対称の改善に用いられます。

d.Wassmund 法
誤り。
Wassmund 法は上顎前歯部歯槽骨切り術です。上顎前歯部の前突などに用い、下顎骨全体の偏位を修正する術式ではありません。

e.Obwegeser-Dal Pont 法
正しい。
Obwegeser-Dal Pont 法は下顎枝矢状分割術です。下顎骨を広い範囲で移動でき、骨格性下顎非対称にも適応されます。

覚えるポイント

  • Robinson 法は下顎枝垂直骨切り術です。
  • Obwegeser-Dal Pont 法は下顎枝矢状分割術です。
  • Köle 法は下顎前歯部、Wassmund 法は上顎前歯部の歯槽骨切り術です。

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