115C038|第115回 歯科医師国家試験 過去問
14 歳の男子。上顎右側中切歯部の歯肉腫脹を主訴として来院した。 2週前から 自覚するようになったという。打診痛を認め、動揺度は 1度であった。診察の結 果、感染根管治療を行ったが改善がみられなかった。初診時の口腔内写真 (別冊No. 10A 、エックス線画像 (別冊No. 10B 及び根管充塡後の歯科用コーンビームCT (別冊No. 10C を別に示す。 今後検討すべき処置はどれか。 2つ選べ。

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正解: c・e
正答
c、e
この問題のポイント
感染根管治療と根管充塡を行っても根尖部病変が改善しない場合、根管内から除去できない感染源や根尖部の解剖学的問題を考えます。外科的歯内療法として、歯根尖切除と逆根管充塡を検討します。
解説
症例は14歳で、上顎右側中切歯部の歯肉腫脹、打診痛、動揺を認めます。感染根管治療を行っても改善せず、根管充塡後のCBCTでも根尖部病変が残存しています。
非外科的根管治療で改善しない原因には、根尖分岐、側枝、根尖部の複雑な形態、根管外感染、根尖部の異物、根尖孔外へ及ぶ病変などがあります。
歯根尖切除では、病変へ外科的に到達し、根尖部を切除します。これにより、根尖分岐など感染が残りやすい部位を除去できます。
切除した根尖側から根管を形成し、逆根管充塡を行うことで、根管系と根尖周囲組織との交通を封鎖します。両者は一連の外科的歯内療法として組み合わせます。
画像の確認
実画像では、上顎右側中切歯の根尖相当歯肉に限局した腫脹があり、デンタル像では根管充填済み歯の根尖周囲に透過像が残っている。掲載JPEGのCBCTは根尖付近で下端が切れており、病変全体の三次元範囲までは読み取れないため、可視所見はここまでとする。正答c・eは公式データ上の逆根管充填・歯根尖切除として画像所見と区別して扱う。
選択肢の確認
a.根尖搔爬
誤り。
病変組織を搔爬するだけでは、根尖分岐や根管内に残る感染源を除去・封鎖できません。原因となる根尖部処置を併せる必要があります。
b.意図的再植
誤り。
意図的再植は、通常の外科的根管治療が困難な場合に、歯を一度抜去して処置し再植する救済的手段です。上顎中切歯で根尖部へ外科的に到達できる本症例では、まず歯根尖切除術を検討します。
c.逆根管充塡
正しい。
根尖切除後に根尖側から根管を封鎖し、根管内の感染物質が根尖周囲へ漏出するのを防ぎます。
d.再根管治療
誤り。
根管充塡後も改善しない場合に再根管治療を検討することはありますが、画像から根尖側の外科的処置が必要と判断される本症例では、正答の組合せではありません。
e.歯根尖切除
正しい。
感染が残りやすい根尖部を切除し、病変へ外科的に対応します。通常は逆根管充塡と組み合わせます。
覚えるポイント
- 非外科的根管治療で治癒しない根尖病変では、外科的歯内療法を検討します。
- 歯根尖切除と逆根管充塡は組み合わせて行います。
- 根尖搔爬だけでは根管系の感染源を封鎖できません。