115D066第115回 歯科医師国家試験 過去問

基礎歯科医学口腔解剖・組織・発生

舌腫瘤の切除物のH-E 染色病理組織像 (別冊No. 20 )を別に示す。 診断名はどれか。 1つ選べ。

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正解: e

正答

e

この問題のポイント

舌腫瘤の病理像で、管腔の内容、内皮、上皮の増殖、細胞異型を順に確認して脈管系病変を鑑別します。

解説

H-E染色の低倍像では、重層扁平上皮直下の結合組織内に、大小不整で著しく拡張した薄壁の管腔が多数みられます。管腔は扁平な内皮細胞で覆われ、内部に赤血球がほとんどみられない淡明な空間が目立ちます。この所見はリンパ管の増生・拡張からなるリンパ管腫に合致します。

病理像で見るポイント
血管腫とリンパ管腫は、管腔内の赤血球の量が重要な鑑別点です。乳頭状の上皮増殖、紡錘形細胞束、異型上皮胞巣がないことも確認します。

画像の確認

実画像では、重層扁平上皮直下に大小不整で薄壁の空虚な管腔が多数拡張し、管腔内の赤血球は目立たない。表層近くのリンパ管性腔の集簇に合うため、リンパ管腫を選ぶ正答eを支える。

選択肢の確認

a.血管腫
誤り。
血管腫では内皮で囲まれた血管腔内に赤血球が豊富にみられるのが基本です。本像の拡張腔は主に空虚で、リンパ管性病変に合います。

b.乳頭腫
誤り。
乳頭腫では重層扁平上皮が乳頭状に増殖し、中心に線維血管性結合組織を持つ像を示します。本像の主体は上皮乳頭状増殖ではなく拡張した脈管腔です。

c.平滑筋腫
誤り。
平滑筋腫では好酸性細胞質と葉巻状核を持つ紡錘形細胞が束状・錯綜状に増殖します。そのような充実性の筋性腫瘍像はみられません。

d.平上皮癌
誤り。
扁平上皮癌では細胞異型を伴う上皮胞巣の浸潤や角化などを認めます。本像に悪性上皮性腫瘍を示す異型胞巣はみられません。

e.リンパ管腫
正しい。
表層近くに大小不整な薄壁のリンパ管腔が多数拡張し、管腔内に赤血球が乏しい所見が一致します。

覚えるポイント

  • リンパ管腫は薄壁で不整な拡張リンパ管腔の集簇を示します。
  • 血管腫では管腔内の赤血球が目立ちます。
  • 舌はリンパ管腫の好発部位の一つです。

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