116B064第116回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯内療法学

16 歳の女子。上顎左側側切歯の違和感を主訴として来院した。歯髄電気診に生 活反応を示した。初診時のエックス線画像(別冊No. 23A)と 2 部の歯科用コーン ビームCT(別冊No. 23B)を別に示す。 適切な対応はどれか。1 つ選べ。

116B064の問題画像
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正解: d

正答

d

この問題のポイント

歯髄電気診の陽性は神経反応の存在を示すだけで、歯髄が健全であることを保証しません。

解説

エックス線・CBCTでは上顎側切歯に深い歯内歯〈dens invaginatus〉様の複雑な陥入構造がみられ、細菌侵入による歯髄炎が疑われます。生活反応が残っていても、症状と画像から保存的な経過観察では不十分であり、感染源を除去して根管系を処置する抜髄が適切です。複雑な根管形態をCBCTで把握して治療計画を立てます。

画像の確認

実画像では、上顎左側側切歯のデンタル像に、エナメル質様の不透過線に縁取られた透過性の陥入腔が歯冠から歯根中央深くへ延びている。CBCTの軸位像では通常根管とは別の円形腔、矢状断像では陥入が根尖近くまで及ぶ複雑な形態がみられ、症状のある生活歯に抜髄を行う正答を支える。

選択肢の確認

a.経過観察
この条件では最も適切ではありません。
症状があり、深い陥入構造から歯髄感染が疑われるため、単純な経過観察では病変進行を防げません。

b.歯髄鎮痛消炎療法
この条件では最も適切ではありません。
歯髄鎮痛消炎療法は一時的な症状緩和にとどまり、複雑な感染源を除去できません。

c.直接覆髄
この条件では最も適切ではありません。
直接覆髄は偶発露髄などで健康または可逆性炎症の歯髄を保存する処置で、感染した複雑な根管形態には適しません。

d.抜 髄
正答。最も適切です。
生活歯髄を除去し、複雑な根管系を清掃・消毒・充塡する抜髄が適切です。

e.歯根尖切除
この条件では最も適切ではありません。
歯根尖切除は通常、非外科的根管治療で治癒しない根尖病変などに検討し、初回処置として先行しません。

覚えるポイント

  • EPT陽性でも不可逆性歯髄炎を否定できない。
  • 歯内歯は陥入部から感染しやすく、根管形態が複雑。
  • CBCTは異常根管形態の三次元把握に有用。

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