116C071|第116回 歯科医師国家試験 過去問
43 歳の女性。下顎左側第二大臼歯遠心歯肉の腫れを主訴として来院した。1 年 前から自覚していたがそのままにしていたという。歯周基本治療後の再評価の結 果、GTR 法を行うこととした。術中の口腔内写真(別冊No. 28A)、エックス線画 像(別冊No. 28B)及び切開線の写真(別冊No. 28C)を別に示す。再評価時の歯周 組織検査結果の一部を表に示す。 舌 側* 3 3 4 4 3 ⑧ 歯 種 6 7 頰 側* 3 3 4 4 4 ⑧ 動揺度** 0 1 * :プロービング深さ(mm) 〇印 :プロービング時の出血 ** :Miller の判定基準 写真に示す切開線で適切なのはどれか。1 つ選べ。

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正解: a
正答
a
この問題のポイント
GTR法では歯間乳頭と弁の血流を温存し、膜を完全に被覆して一次閉鎖できる切開設計が重要です。
解説
下顎第二大臼歯遠心の骨内欠損へGTR法を行うため、欠損直上の歯肉を傷つけず、十分な全層弁を挙上できる切開を選びます。正答のアは歯頸部に沿った内斜切開と遠心部の縦切開により、術野を確保しつつ弁の基部を広く保ちます。
膜露出は感染と再生不良の原因になるため、切開線を膜・欠損部の直上へ置かず、緊張のない閉鎖を目指します。
医療安全上のポイント
縦切開は歯間乳頭中央や骨隆起部を避け、解剖学的構造と弁の血流を考えて設計します。
画像の確認
実画像では、下顎左側第二大臼歯遠心にプローブが深く入る8 mmポケットがあり、エックス線像でも同部に骨内欠損がみえる。切開案アは6・7の歯頸部に沿って弁を確保し、欠損直上を避けて7遠心から外方へ一方向の縦切開を延ばすため、膜を覆う広い弁と一次閉鎖を得やすくGTRに適する。
選択肢の確認
a.ア
正しい。アは欠損部へ十分に到達でき、弁の血流と一次閉鎖を確保しやすい切開設計です。
b.イ
誤り。イは遠心部で切開線が交差し、弁の血流障害や創離開を生じやすい設計です。
c.ウ
誤り。ウは縦切開の形態と位置が不適切で、弁の基部を損ないやすくなります。
d.エ
誤り。エは欠損部周囲を半円状に切開し、GTR膜を被覆する弁の安定が得にくい設計です。
e.オ
誤り。オは縦切開位置が術野と弁の可動性確保に適しません。
覚えるポイント
- GTRは膜の完全被覆と一次閉鎖が重要。
- 弁の基部を広くして血流を保つ。
- 欠損・膜の直上に切開線を置かない。