116D075|第116回 歯科医師国家試験 過去問
84 歳の女性。口腔内からの出血を主訴として来院した。起床時に枕に血が付い ていることに気付いたが、過去に同様の症状はみられなかったという。初診時の口 腔内写真(別冊No. 28)を別に示す。血液検査の結果を表に示す。 白血球数 :9,350/μL 赤血球数 :398 万/μL ヘモグロビン :12.8 g/dL ヘマトクリット :37.0% 血小板数 :5,000/μL AST :29 U/L ALT :20 U/L PT :10 秒(基準値10~12 秒) APTT :25.2 秒(基準値24~39 秒) 血漿フィブリノゲン :337 mg/dL(基準値200~400 mg/dL) CRP :0.25 mg/dL 血清FDP :8 μg/mL(基準値15 μg/mL 以下) D ダイマー :100 ng/mL(基準値150 ng/mL 以下) 原因として考えられるのはどれか。1 つ選べ。

解答・解説を見る
正解: c
正答
c
この問題のポイント
血小板数だけが著明に低下し、PT・APTT・フィブリノゲン・FDP・Dダイマーがほぼ正常である点を読み取ります。
解説
血小板数は5,000/μLと極端に低く、粘膜出血を起こし得る危険な値です。一方、PT、APTT、フィブリノゲン、FDP、Dダイマーは正常範囲で、凝固因子障害や線溶亢進を示しません。
この検査パターンは、免疫性血小板減少症などの血小板破壊亢進を考えます。口腔内処置を進めず、緊急に医科へ連携して出血管理を行います。
画像の確認
実画像では、左右の頰粘膜と舌側縁に暗赤紫色の大きな粘膜下出血斑が多発している。併記された検査で血小板だけが5,000/μLと極端に低く、PT・APTT・FDP・Dダイマーは基準範囲なので、凝固・線溶異常より血小板破壊亢進による一次止血障害が合う。
選択肢の確認
a.線溶の亢進
誤り。線溶亢進ならFDPやDダイマーの上昇、フィブリノゲン低下などを考えます。
b.血管の先天異常
誤り。血管の先天異常だけでは血小板数5,000/μLという著明な低下を説明できません。
c.血小板の破壊亢進
正しい。孤立性の高度血小板減少と粘膜出血から、血小板の破壊亢進が考えられます。
d.赤血球の破壊亢進
誤り。赤血球の破壊亢進なら貧血、ビリルビン上昇、LD上昇などが問題となり、血小板低下の説明になりません。
e.凝固因子の機能不全
誤り。凝固因子機能不全ではPTやAPTTの延長が手掛かりになります。
覚えるポイント
- 血小板減少は点状出血・粘膜出血を起こします。
- 凝固因子障害ではPT・APTTを確認します。
- 血小板5,000/μLは医科へ緊急連携が必要です。