117A019|第117回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床小児歯科学
混合歯列期前期の下顎右側第一大臼歯の早期喪失により生じる可能性があるのは どれか。1 つ選べ。
解答・解説を見る
正解: c
正答
c
この問題のポイント
片側の第一大臼歯を成長期に早期喪失すると、歯の移動が左右非対称に起こり、歯列正中が欠損側へ偏位することがあります。
解説
混合歯列期前期は歯列が大きく変化する時期です。下顎右側第一大臼歯を早期に失うと、右側臼歯部で近心移動・空隙閉鎖が進み、歯列弓長が片側だけ短くなります。その結果、下顎歯列正中線が右方、すなわち欠損側へ偏位する可能性があります。
早期喪失では、残存歯の傾斜、対合歯の挺出、萌出経路の変化、左右非対称を評価し、必要に応じて保隙や咬合誘導を検討します。
選択肢の確認
a.前歯部開咬
誤り。
第一大臼歯の片側早期喪失から前歯部開咬が直接生じるのが典型ではありません。
b.前歯部反対咬合
誤り。
前歯部反対咬合は上下顎骨の関係や前歯歯軸などが関与し、本問の代表的変化ではありません。
c.下顎歯列正中線の右方偏位
正しい。
片側の空隙が失われることで歯列弓が非対称となり、下顎歯列正中線が欠損側である右方へ偏位し得ます。
d.下顎右側第二小臼歯の近心傾斜
誤り。
欠損部に隣接する歯の移動は起こり得ますが、第二小臼歯の近心傾斜を本問の代表的変化として選びません。
e.下顎右側第二大臼歯の遠心傾斜
誤り。
後方の第二大臼歯は一般に欠損空隙へ向かって近心傾斜しやすく、遠心傾斜ではありません。
覚えるポイント
- 成長期の片側性欠損は歯列正中偏位と左右非対称を生じ得ます。
- 後方歯は欠損空隙へ近心移動・近心傾斜しやすくなります。
- 早期喪失では保隙の必要性を歯齢と萌出状態から判断します。