117B043|第117回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床歯周病学
75 歳の男性。下顎歯肉癌に対し全身麻酔下での腫瘍切除術が予定された。全身 麻酔導入後の生体情報モニタ画面の写真(別冊No. 13)を別に示す。 まず投与すべき薬剤はどれか。1 つ選べ。

解答・解説を見る
正解: c
正答
c
この問題のポイント
全身麻酔導入後は血管拡張や心収縮力低下によって低血圧を生じることがあり、循環動態に応じて昇圧薬を選びます。
解説
エフェドリンは交感神経刺激作用により、心拍数と心収縮力を増加させるとともに末梢血管を収縮させ、血圧を上昇させます。全身麻酔導入後の低血圧に対して、心拍数が極端に高くない場合などに用いられます。
薬剤投与と同時に、麻酔深度、換気、出血、体位、輸液量など原因評価も行います。
画像の確認
実画像では、モニタに心拍数60/分、非観血血圧63/33 mmHg・平均43 mmHg、SpO2 97%、EtCO2 33 mmHgと明瞭に表示されている。酸素化と換気、心拍数は保たれている一方で著しい低血圧が主問題なので、昇圧作用をもつエフェドリンの正答cにつながる。
選択肢の確認
a.ニトログリセリン
誤り。
ニトログリセリンは血管拡張薬であり、低血圧をさらに悪化させる可能性があります。
b.リドカイン塩酸塩
誤り。
リドカイン塩酸塩は局所麻酔薬であり、静脈投与では一部の心室性不整脈に用いますが、低血圧の第一選択ではありません。
c.エフェドリン塩酸塩
正答。まず投与します。
エフェドリンは心拍出量と末梢血管抵抗を高め、麻酔導入後の低血圧を改善します。
d.ニカルジピン塩酸塩
誤り。
ニカルジピン塩酸塩はCa拮抗薬で、高血圧を下げるために用います。
e.ランジオロール塩酸塩
誤り。
ランジオロール塩酸塩は短時間作用型β1遮断薬で、頻脈性不整脈の心拍数を抑える薬です。
覚えるポイント
- 麻酔導入後の低血圧では原因評価と昇圧を行う。
- エフェドリンは心拍出量と血管抵抗を上げる。
- 降圧薬やβ遮断薬との取り違えに注意する。