117C058|第117回 歯科医師国家試験 過去問
60 歳の女性。上顎左側第二小臼歯と第一大臼歯間の冷水痛を主訴として来院し た。1 か月前から冷水に対して一過性の痛みを認めるようになったという。5 6 には自発痛と打診痛はない。初診時の口腔内写真(別冊No. 23A)とエックス線画像 (別冊No. 23B)を別に示す。初診時の歯周組織検査結果の一部を表に示す。 頰 側* 3 3 3 3 3 3 歯 種 5 6 口蓋側* 3 3 3 ④ 4 3 動揺度** 0 0 * :プロービング深さ(mm) 〇印:プロービング時の出血 ** :Miller の判定基準 処置の組合せで正しいのはどれか。1 つ選べ。 5 6

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正解: a
正答
a
この問題のポイント
隣接部の冷水痛では、齲蝕による歯質欠損と歯周炎による根面露出・歯石を歯ごとに分けて診断します。
解説
一過性の冷水痛で自発痛・打診痛がない場合、歯髄は可逆的な刺激状態である可能性が高く、齲蝕部は保存修復の適応となります。画像と口腔内所見から5には隣接面修復を行い、審美性と接着性に優れるコンポジットレジンを選択します。
6はプロービング時出血と局所歯周病変への対応としてスケーリングを行います。歯ごとに主病変を見分け、同じ修復処置を両歯へ機械的に当てはめないことが重要です。
画像の確認
実画像では、上顎左側第二小臼歯遠心隣接面に齲蝕性透過像があり、第一大臼歯には明瞭な齲窩を認めず歯石沈着を示す所見がある。第二小臼歯をコンポジットレジン修復し第一大臼歯をスケーリングする組合せ、すなわち正答aを支える。
選択肢の確認
a.コンポジットレジン修復 スケーリング
正しい組合せです。
5の齲蝕部はコンポジットレジンで修復し、6の歯周病変にはスケーリングを行う組合せです。
b.コンポジットレジン修復 コンポジットレジン修復
誤った組合せです。
6は修復処置より歯周病変へのスケーリングが必要です。
c.コンポジットレジン修復 グラスアイオノマーセメント修復
誤った組合せです。
6にグラスアイオノマーセメント修復を行う根拠がなく、歯周処置が必要です。
d.グラスアイオノマーセメント修復 スケーリング
誤った組合せです。
5にはコンポジットレジン修復が適し、グラスアイオノマーセメントを選ぶ組合せではありません。
e.グラスアイオノマーセメント修復 コンポジットレジン修復
誤った組合せです。
5と6の病変に対する処置がいずれも設問所見と合いません。
覚えるポイント
- 一過性冷水痛は可逆性歯髄炎を示唆する。
- 隣接する2歯でも病因と処置を別々に判断する。
- 歯周病変にはプラーク・歯石除去を行う。