117C062第117回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床口腔外科学

20 歳の男性。上顎左側大臼歯歯槽部の腫脹を主訴として来院した。3 か月前か ら徐々に増大してきたという。同部に軽度の圧痛を認める。初診時の口腔内写真 (別冊No. 24A)、エックス線画像(別冊No. 24B)、CT(別冊No. 24C)及び生検時 のH-E 染色病理組織像(別冊No. 24D)を別に示す。 適切な治療法はどれか。1 つ選べ。

117C062の問題画像
解答・解説を見る

正解: a

正答

a

この問題のポイント

顎骨病変の治療は、良悪性、境界、被膜、浸潤性、再発リスクから侵襲度を選びます。

解説

若年者に生じた限局性の歯原性病変で、画像・病理から周囲組織へ破壊的に浸潤する悪性病変ではなく、外科的に一塊として除去可能と判断される場合は摘出術が適応です。

切開排膿は膿瘍、放射線治療は放射線感受性を考慮する悪性腫瘍、上顎洞根治術は慢性上顎洞病変、上顎部分切除術は浸潤性・悪性病変などで検討します。

画像・病理で見るポイント
透過像か不透過像か、境界、歯との関係、上顎洞への進展、上皮・間質・石灰化の有無を確認します。画像と病理の具体的所見は問題画像で確認します。

画像の確認

実画像では、上顎左側臼歯部が口蓋側へ膨隆し、CTで左上顎洞を占める境界明瞭な病変と内部の石灰化物が写っている。組織像は表層上皮下の線維性間質を示し、限局病変を摘出する正答aに対応する。

選択肢の確認

a.摘出術
正答。適切です。
限局性で摘出可能な良性歯原性病変に対する治療として摘出術が適切です。

b.切開排膿
この条件では適切ではありません。
切開排膿は膿瘍など膿の貯留を伴う感染症に行う処置で、腫瘍性病変の根本治療ではありません。

c.放射線治療
この条件では適切ではありません。
放射線治療は本症例のような摘出可能な良性病変の第一選択ではありません。

d.上顎洞根治術
この条件では適切ではありません。
上顎洞根治術は上顎洞炎などに対する術式で、本病変への標準的治療ではありません。

e.上顎部分切除術
この条件では適切ではありません。
上顎部分切除術はより広範な浸潤性または悪性病変で検討し、本症例には過大な侵襲です。

覚えるポイント

  • 限局性良性病変は摘出術を基本に考える。
  • 浸潤性と再発リスクが高いほど切除範囲を広げる。
  • 画像所見と病理診断を統合して術式を選ぶ。

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