117C067|第117回 歯科医師国家試験 過去問
54 歳の女性。上顎右側側切歯のブラッシング時の痛みと審美不良を主訴として 来院した。2 年前から自覚していたがそのままにしていたという。歯周基本治療後 の再評価の結果、プロービング深さはすべて3 mm 以下であったが、症状が改善さ れなかったため、歯周外科治療を行うこととした。初診時の口腔内写真(別冊 No. 27A)と術中の口腔内写真(別冊No. 27B)を別に示す。 この術式はどれか。1 つ選べ。

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正解: b
正答
b
この問題のポイント
審美部の限局した歯肉退縮で、角化歯肉の色調と厚みを保ちながら根面被覆を行う代表術式は結合組織移植術です。
解説
結合組織移植術では口蓋から上皮下結合組織を採取し、退縮部の受容床へ移植して歯肉弁で被覆します。血液供給を受けやすく、根面被覆量、色調調和、組織の厚みの改善に優れます。
プロービング深さが浅く炎症がコントロールされても、露出根面による知覚過敏と審美障害が残る場合に適応を検討します。
画像の確認
実画像では、上顎右側側切歯に限局した深い歯肉退縮があり、術中には歯冠側へ移動する受容床と歯肉内側のトンネル状剝離が写っている。歯根被覆のため上皮を伴わない移植片を挿入する結合組織移植術の外観であり、正答bを支える。
選択肢の確認
a.小帯切除術
誤り。
小帯切除術は高位付着小帯が清掃障害や歯肉牽引を起こす場合に行います。
b.結合組織移植術
正しい。
結合組織移植術は審美性と根面被覆の予知性が高く、歯肉の厚みも増加できます。
c.口腔前庭拡張術
誤り。
口腔前庭拡張術は浅い口腔前庭を拡大する術式で、単独の審美的根面被覆法ではありません。
d.歯肉剝離搔爬術
誤り。
歯肉剝離搔爬術は歯周ポケット内の病変除去を目的とし、浅いポケットを伴う歯肉退縮への術式ではありません。
e.遊離歯肉移植術
誤り。
遊離歯肉移植術は角化歯肉幅の増大に有効ですが、色調・審美性と根面被覆では結合組織移植術が適します。
覚えるポイント
- 結合組織移植術は根面被覆と歯肉厚の増大に有効。
- 遊離歯肉移植術は角化歯肉幅の増大が主目的。
- 炎症をコントロールしてから歯肉退縮手術を行う。