117D042|第117回 歯科医師国家試験 過去問
70 歳の女性。左側舌縁部の知覚鈍麻を主訴として来院した。3 か月前から徐々 に増悪してきたという。初診時の口腔内写真(別冊No. 10A)、MRI(別冊No. 10B) 及び生検時のH-E 染色病理組織像(別冊No. 10C)を別に示す。 病変の発生部位と病理診断の組合せで正しいのはどれか。1 つ選べ。

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正解: e
正答
e
この問題のポイント
左口底・舌下腺領域の腫瘤、進行性知覚鈍麻、篩状病理像から、舌下腺原発の腺様囊胞癌と判断します。
解説
MRIでは左口底の舌下腺部を中心とする充実性腫瘤がみられます。病理組織像では、腫瘍細胞が腺管状・篩状に配列し、大小の偽囊胞腔を形成する、いわゆる篩状構造が認められます。
腺様囊胞癌は神経周囲浸潤を起こしやすく、疼痛や知覚鈍麻が重要な手掛かりです。舌下腺腫瘍は悪性の割合が高いため、口底腫瘤では小さくても悪性を警戒します。
病理像で見るポイント
均一な小型細胞が大小の偽囊胞を囲む篩状構造を確認します。
画像の確認
実画像では、左口底・舌下部に腫瘤があり、MRIで左舌下隙の境界明瞭な高信号腫瘤として写っている。組織像には篩状の腺管様胞巣と粘液様腔が多数みられ、舌下腺の腺様嚢胞癌とする正答eを支える。
選択肢の確認
a.顎下腺 多形腺腫
誤り。病変は顎下腺ではなく左舌下腺・口底部に位置し、病理像も多形腺腫ではありません。
b.顎下腺 腺様囊胞癌
誤り。腺様囊胞癌という診断は合いますが、発生部位が顎下腺ではありません。
c.舌下腺 粘表皮癌
誤り。粘表皮癌では粘液産生細胞、類表皮細胞、中間細胞が混在します。本像の篩状構造とは異なります。
d.舌下腺 腺房細胞癌
誤り。腺房細胞癌は漿液性腺房細胞への分化を示し、本像の偽囊胞を伴う篩状構造とは異なります。
e.舌下腺 腺様囊胞癌
正しい。舌下腺領域の腫瘤と篩状構造、神経症状は舌下腺腺様囊胞癌に一致します。
覚えるポイント
- 腺様囊胞癌は篩状構造と神経周囲浸潤が重要。
- 知覚鈍麻や疼痛は神経浸潤を示唆する。
- 舌下腺腫瘍では悪性を強く疑う。