117D063第117回 歯科医師国家試験 過去問

基礎歯科医学口腔解剖・組織・発生

28 歳の女性。右側舌縁部の接触痛を主訴として再来院した。3 年前に同様の症 状があり、生検と 7 6 舌側咬頭の削合を行った。その後、痛みが消失したため通 院が途絶えていたが、1 年前から再び同部に疼痛を自覚しているという。初診時の 口腔内写真(別冊No. 18A)、生検時(矢印)のH-E 染色病理組織像(別冊No. 18B)、 再来院時の口腔内写真(別冊No. 18C)及び生検時のH-E 染色病理組織像(別冊 No. 18D)を別に示す。 初診時と再来院時の診断名の組合せで正しいのはどれか。1 つ選べ。 初診時 再来院時

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正解: c

正答

c

この問題のポイント

同一部位に長期間持続・再発する潰瘍では、外傷性病変だけでなく扁平上皮癌への進展または見逃しを警戒します。

解説

初回は臼歯舌側咬頭による慢性刺激と接触痛があり、病理的に褥瘡性潰瘍と判断されたと考えられます。しかし刺激除去後も通院が途絶え、再び同部位に疼痛を伴う病変が出現しています。

再来時には再生検が必要で、病理像で上皮異型、基底膜を越える浸潤、角化真珠などを確認します。本問では初回が褥瘡性潰瘍、再来時が扁平上皮癌です。

症例問題の解き方
同一部位、慢性経過、再発、硬結、知覚異常、刺激除去後の残存は悪性を疑うサインです。

画像の確認

実画像では、初診時に右舌縁の臼歯接触部へ限局した潰瘍があり、組織像は潰瘍と炎症細胞浸潤を示す。再来院時写真でも同じ舌縁部に不整な白色調変化が残り、組織像には異型扁平上皮胞巣と角化がみられるため、褥瘡性潰瘍から扁平上皮癌とする正答cを支える。

選択肢の確認

a.乳頭腫 扁平上皮癌
誤り。初回病変を乳頭腫とする組合せではありません。乳頭腫は外向性乳頭状病変です。

b.白板症 褥瘡性潰瘍
誤り。白板症は白色病変であり、初回の外傷性潰瘍および再来時病理の組合せと一致しません。

c.褥瘡性潰瘍 扁平上皮癌
正しい。初回は慢性機械刺激による褥瘡性潰瘍、再来時は扁平上皮癌と診断されます。

d.口腔扁平苔癬 カンジダ性口内炎
誤り。口腔扁平苔癬からカンジダ性口内炎という組合せではありません。

e.カンジダ性口内炎 白板症
誤り。カンジダ性口内炎と白板症は本症例の経過・病理診断に一致しません。

覚えるポイント

  • 2週間以上治らない潰瘍は生検を検討する。
  • 刺激除去後も残る病変は再評価する。
  • 扁平上皮癌では浸潤と細胞異型を確認する。

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