117D072|第117回 歯科医師国家試験 過去問
17 歳の男子。上顎右側側切歯の変色を主訴として来院した。10 歳ころに歯の色 の変化に気付いていたが、痛みがないためそのままにしていたという。自発痛はな いが根尖部歯肉に圧痛がある。初診時の口腔内写真(別冊No. 23A)とエックス線画 像(別冊No. 23B)を別に示す。初診時の歯周組織検査結果の一部を表に示す。 唇 側* 2 2 2 2 ③ 3 2 2 2 歯 種 3 2 1 口蓋側* 2 3 2 2 3 2 2 3 2 動揺度** 0 0 0 * :プロービング深さ(mm) 〇印:プロービング時の出血 ** :Miller の判定基準 原因として考えられるのはどれか。1 つ選べ。

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正解: a
正答
a
この問題のポイント
上顎側切歯に舌側から歯冠内へ陥入する形態と根尖病変を認めます。感染の入口となったのは深い盲孔です。
解説
上顎側切歯では舌側面の盲孔が深く、歯内歯のようにエナメル質・象牙質が歯冠内へ陥入することがあります。盲孔は清掃できず、外観上の齲窩が小さくても細菌が深部へ達し、若年で歯髄壊死、変色、根尖性歯周炎を起こします。
写真では側切歯の変色があり、エックス線画像では歯冠内部の陥入構造と根尖部透過像が示されています。外傷歴がなく10歳頃から変色した経過も、盲孔からの早期感染に合います。
画像の確認
実画像では、上顎右側側切歯が灰褐色に変色し、X線像で歯冠舌側から根内へ深く入り込む陥入像と大きな根尖透過像が写っている。陥入の入口となる舌側盲孔から感染した所見であり、正答aに対応する。
選択肢の確認
a.盲 孔
正しい。深い盲孔は歯内歯様の陥入部へ連続し、細菌侵入による歯髄壊死と根尖病変の原因になります。
b.斜切痕
誤り。斜切痕は切縁形態の異常であり、本画像の歯冠内陥入と感染経路を説明しません。
c.歯冠破折
誤り。歯冠破折を示す外傷歴や破折線はなく、長期の変色経過とも合いません。
d.隣接面溝
誤り。隣接面溝は本画像でみられる舌側からの深い陥入構造ではありません。
e.くさび状欠損
誤り。くさび状欠損は歯頸部の非齲蝕性欠損で、若年時の失活と根尖病変の原因にはなりにくいです。
覚えるポイント
- 上顎側切歯の盲孔・歯内歯は早期歯髄感染の原因。
- 外観上小さな小窩でも深部へ連続することがある。
- 変色歯では歯髄生活反応と根尖透過像を確認する。