118B044|第118回 歯科医師国家試験 過去問
75 歳の男性。下顎右側第一大臼歯の自発痛を主訴として来院した。抜髄のため アドレナリン含有2 %リドカイン塩酸塩で局所麻酔を行った直後に気分不快と胸痛 を訴えた。意識レベルはJCSⅡ-10、呼吸数26/分で気道閉塞を認めない。このと きの生体情報モニタ画面の写真(別冊No. 14)を別に示す。 直ちに行うのはどれか。3 つ選べ。

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正解: a・b・d
正答
a、b、d
この問題のポイント
局所麻酔直後の胸痛と意識障害では急性冠症候群を疑い、処置を中止して酸素投与、救急要請、アスピリン投与を行います。
解説
胸痛、気分不快、頻呼吸、意識レベル低下は重篤な循環器イベントを疑う所見です。まず歯科処置を中止し、応援を要請して気道・呼吸・循環を評価します。モニタ所見と酸素化を確認しながら酸素を投与し、救急搬送を要請します。
急性冠症候群が疑われ、アスピリンアレルギーや活動性出血などの禁忌がなければ、血小板凝集抑制を目的にアスピリン投与を行います。
全身管理上の注意点
心停止へ移行した場合は胸骨圧迫とAEDへ直ちに切り替えます。
画像の確認
実画像では、心拍数70/分に対して血圧76/40 mmHg、平均血圧52 mmHg、SpO2 91%と低血圧・低酸素血症が示されている。胸痛を伴う急性冠症候群を疑い、酸素投与、救急要請、アスピリン投与を直ちに行う正答a・b・dに対応する。
選択肢の確認
a.酸素投与
正しい。
呼吸状態と酸素化を確認し、低酸素血症や重篤な急性冠症候群が疑われる状況では酸素を投与します。
b.救急車の要請
正しい。
急性冠症候群が疑われ、意識障害もあるため、直ちに救急車を要請して専門医療へつなげます。
c.電気的除細動
誤り。
電気的除細動は心室細動や無脈性心室頻拍などのショック適応波形で行います。脈拍がある胸痛患者へ直ちに行う処置ではありません。
d.アスピリンの投与
正しい。
禁忌がなければアスピリンを投与し、血小板凝集を抑えて冠動脈血栓の進展を抑えます。
e.輪状甲状間膜穿刺
誤り。
輪状甲状間膜穿刺は重度の上気道閉塞で通常の気道確保ができない場合に検討します。本症例では気道閉塞を認めません。
覚えるポイント
- 胸痛と意識障害では急性冠症候群を疑って救急要請します。
- 酸素化を評価し、必要な酸素投与を行います。
- 除細動はショック適応の心停止波形で行います。