118D078|第118回 歯科医師国家試験 過去問
37 歳の男性。かかりつけ歯科医を受診した際、エックス線画像で左側上顎の異 常像を指摘され来院した。これまでに自覚症状はなく、口腔内外に腫脹も認められ ない。切除術を行うこととした。初診時のエックス線画像(別冊No. 32A)、CT(別 冊No. 32B)、切除物の写真(別冊No. 32C)及びH-E 染色病理組織像(別冊No. 32 D)を別に示す。 診断名はどれか。1 つ選べ。

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正解: e
正答
e
この問題のポイント
歯牙腫は歯原性組織からなる過誤腫性病変です。歯の形をとらず、歯質が塊状に混在するのは**複雑型〈複雑性歯牙腫〉**です。
解説
複雑性歯牙腫ではエナメル質、象牙質、セメント質、歯髄様組織が形成されますが、配列が乱れて歯の形態を示しません。エックス線画像では境界明瞭な塊状の不透過像として認められ、周囲に透過性の被膜様部を伴うことがあります。
集合性歯牙腫では小さな歯のような構造物が多数みられます。
病理像で見るポイント
歯質成分の有無に加え、それらが歯のように配列しているか、無秩序な塊状かを確認します。
画像の確認
実画像A・Bでは左上顎洞内に境界明瞭で不整な高濃度の石灰化塊があり、歯の形をした小構造の集合ではない。Cの切除物も一塊の硬組織で、Dでは歯原性組織が無秩序に混在している。歯の形態を再現しない塊状の像は複雑型歯牙腫に合致する。
選択肢の確認
a.骨形成線維腫
誤り。
骨形成線維腫は線維性間質内に骨・セメント質様硬組織を形成する良性腫瘍で、歯質の無秩序な塊ではありません。
b.線維性異形成症
誤り。
線維性異形成症は正常骨が線維性組織と未熟骨へ置換され、境界が骨へ移行する病変です。
c.セメント芽細胞腫
誤り。
セメント芽細胞腫は歯根と連続する硬組織性腫瘍で、歯根吸収や疼痛を伴うことがあります。
d.歯牙腫,集合型〈集合性歯牙腫〉
誤り。
歯牙腫,集合型〈集合性歯牙腫〉は多数の小歯様構造を形成します。
e.歯牙腫,複雑型〈複雑性歯牙腫〉
正しい。
歯牙腫,複雑型〈複雑性歯牙腫〉は歯質が無秩序な塊状となり、設問の診断に該当します。
覚えるポイント
- 集合性歯牙腫は小歯様、複雑性歯牙腫は塊状です。
- 歯牙腫は歯原性組織からなる過誤腫性病変です。
- 萌出障害の原因になることがあります。