119B053|第119回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床小児歯科学
6 歳の男児。転倒によって下顎前歯部を受傷したため来院した。下顎前歯部に動 揺は認められない。初診時の口腔内写真(別冊No. 16A)とエックス線画像(別冊 No. 16B)を別に示す。 適切な対応はどれか。1 つ選べ。

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正解: e
正答
e
この問題のポイント
外傷後に歯の動揺がなく、整復や固定を要する転位がない場合は、歯髄と歯周組織の経過を 定期的に観察します。
解説
小児の前歯外傷では、乳歯か永久歯か、歯冠・歯根破折、脱臼、歯槽骨骨折、歯髄露出の有無を確認します。動揺や転位がなく、緊急の処置を要する損傷が認められない場合は、保護者へ注意事項を説明し、臨床所見とエックス線所見を経時的に評価します。
外傷直後の歯髄診は一時的に反応が低下することがあるため、単回の結果だけで失活と判断しません。
画像の確認
実画像Aでは下顎前歯部歯肉に小さな外傷創があるが歯の位置変化はなく、Bでも歯根破折や歯槽骨骨折を示す明瞭な異常を認めない。動揺もないため侵襲的処置は行わず経過観察とする。
選択肢の確認
a.固 定
誤り。
固定は動揺や脱臼、歯根・歯槽骨骨折などで必要になります。動揺がない歯へ 一律に行いません。
b.整 復
誤り。
整復は転位した歯や骨片を正常位置へ戻す処置です。転位がない場合は不要です。
c.抜 歯
誤り。
抜歯は保存不能な重度損傷や感染などで検討します。動揺のない外傷歯に直ちに行いません。
d.抜 髄
誤り。
抜髄は不可逆的歯髄障害や歯髄壊死が確認された場合に行います。外傷直後に予防的に行いません。
e.経過観察
正答。適切です。
緊急処置を要する転位・動揺がなければ、歯髄反応、変色、根尖部所見などを経過観察します。
覚えるポイント
- 外傷歯では動揺・転位・破折・歯髄露出を確認します。
- 処置適応がなければ経過観察します。
- 歯髄診は時間をおいて繰り返します。