119B087|第119回 歯科医師国家試験 過去問
基礎歯科医学歯科理工学
研究用模型を製作するため印象材を練和している写真(別冊No. 33)を別に示す。 印象材粉末の成分で硬化を遅延させるのはどれか。1 つ選べ。

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正解: d
正答
d
この問題のポイント
アルジネート印象材では、リン酸三ナトリウムが硫酸カルシウムと先に反応する遅延材として働き、ゲル化までの操作時間を確保します。
解説
アルジネート印象材の主反応は、可溶性アルギン酸塩と硫酸カルシウムが反応し、不溶性のアルギン酸カルシウムゲルを形成することです。リン酸三ナトリウムは硫酸カルシウムと優先的に反応するため、その間はアルギン酸カルシウム形成が抑えられ、硬化が遅延します。
遅延材が消費された後にゲル化反応が進みます。水温、粉液比、練和時間も硬化時間へ影響します。
画像の確認
実画像ではピンク色のアルジネート印象材粉末へ水を加え、ラバーボウル内でスパチュラ練和している。アルジネートの硬化反応ではリン酸三ナトリウムが硫酸カルシウムと先に反応してゲル化開始を遅らせる。
選択肢の確認
a.ケイソウ土
誤り。
ケイソウ土はフィラーとして強度、粘稠度、操作性などを調整します。主な硬化遅延材ではありません。
b.硫酸ナトリウム
誤り。
硫酸ナトリウムは石膏との表面反応や模型面性状の調整に関係する成分で、アルジネートの代表的遅延材ではありません。
c.アルギン酸カリウム
誤り。
アルギン酸カリウムは可溶性アルギン酸塩で、硫酸カルシウムと反応してゲルの骨格を作る主成分です。
d.リン酸三ナトリウム
正しい。
リン酸三ナトリウムは硫酸カルシウムと優先的に反応し、アルギン酸カルシウム形成を遅らせます。
e.アルギン酸ナトリウム
誤り。
アルギン酸ナトリウムは可溶性アルギン酸塩としてゲル形成に関与し、遅延材ではありません。
覚えるポイント
- アルジネートの遅延材はリン酸三ナトリウムです。
- 可溶性アルギン酸塩と硫酸カルシウムが反応します。
- 冷水は硬化を遅らせ、温水は速めます。