119C036|第119回 歯科医師国家試験 過去問
62 歳の男性。右側顔面の皮疹を主訴として来院した。5 日前から右側顔面の搔 痒感と違和感を自覚していたが、皮疹の出現とともに疼痛も強くなってきたとい う。初診時の顔貌写真(別冊No. 10A、B)と口腔内写真(別冊No. 10C)を別に示す。 急性期治療後に説明が必要なのはどれか。1 つ選べ。

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正解: d
正答
d
この問題のポイント
片側顔面と口腔内に分節性の皮疹・疼痛を生じる帯状疱疹では、急性期後も帯状疱疹後神経痛が残る可能性を説明します。
解説
水痘・帯状疱疹ウイルスは初感染後に知覚神経節へ潜伏し、加齢や免疫低下を契機に再活性化します。三叉神経領域で発症すると、片側性の皮疹と口腔粘膜病変、強い神経痛を生じます。
皮疹が治癒しても灼熱痛、電撃痛、アロディニアなどの神経障害性疼痛が持続することがあり、早期の抗ウイルス治療と疼痛管理が重要です。
画像の確認
実画像A・Bでは右側の下唇・オトガイから頰部にかけて片側性に小水疱と痂皮が帯状に分布し、Cでも同側頰粘膜に発赤性病変がある。三叉神経領域の帯状疱疹に合致し、急性期後も神経障害性疼痛である帯状疱疹後神経痛が残る可能性を説明する。
選択肢の確認
a.下唇の運動障害
誤り。
下唇運動障害は主に顔面神経下顎縁枝などの障害で生じます。三叉神経領域の帯状疱疹後に一般的に説明する合併症ではありません。
b.終生免疫の獲得
誤り。
帯状疱疹の発症後もウイルスは潜伏し続けるため、終生免疫によって再発しないとはいえません。
c.抗体価の定期的測定
誤り。
経過観察の中心は症状と神経痛であり、抗体価の定期測定は通常必要ありません。
d.神経障害性疼痛の出現
正しい。
急性期後に帯状疱疹後神経痛として神経障害性疼痛が出現・残存することがあります。
e.第Ⅷ脳神経症状の出現
誤り。
第Ⅷ脳神経症状は耳部帯状疱疹を伴うRamsay Hunt症候群などで問題になりますが、本症例で一般的に説明すべき所見ではありません。
覚えるポイント
- 帯状疱疹は知覚神経節に潜伏したウイルスの再活性化です。
- 皮疹後も神経障害性疼痛が残ることがあります。
- 三叉神経領域では皮膚と口腔粘膜の片側性分布を確認します。