119C047|第119回 歯科医師国家試験 過去問
55 歳の男性。下顎右側第一大臼歯が痛むことを主訴として来院した。1 週前に 歯が欠け、一過性の疼痛を自覚していたが、昨日から痛みが増大しているという。 自発痛、打診痛および持続性の冷温水痛が認められる。初診時の口腔内写真(別冊 No. 16A)とエックス線画像(別冊No. 16B)を別に示す。 感染象牙質の除去後にまず行うのはどれか。1 つ選べ。

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正解: a
正答
a
この問題のポイント
大きな歯冠欠損がある歯の根管治療では、感染象牙質除去後に隔壁形成を行い、防湿と根管治療の操作環境を確保します。
解説
持続性冷温水痛、自発痛、打診痛から不可逆性歯髄炎と根尖部歯周組織への炎症波及を考え、抜髄・根管治療が必要です。歯冠壁が失われている場合、先にコンポジットレジンなどで隔壁を形成します。
隔壁はラバーダムクランプの保持、唾液汚染の防止、洗浄液の貯留、仮封の確実性を高めます。その後に天蓋除去、根管口明示、根管形成・洗浄へ進みます。
画像の確認
実画像Aでは下顎右側第一大臼歯の修復物と歯冠が大きく破折し、根管治療時の防湿・薬液保持に必要な歯冠壁が不足している。Bで根尖部病変は明瞭でなくても症状は不可逆性歯髄炎を示すため、感染象牙質除去後はまず隔壁を形成し、その後に髄腔開拡する。
選択肢の確認
a.隔壁形成
正答。まず行います。
感染象牙質除去後に隔壁を形成し、無菌的で安全な根管治療環境を整えます。
b.天蓋除去
この後に行います。
天蓋除去は髄腔開拡の工程ですが、歯冠壁が不足する場合は先に隔壁を作ります。
c.根管口明示
この後に行います。
根管口明示は天蓋除去後に行う工程で、隔壁形成より先ではありません。
d.覆髄材の貼薬
適応が異なります。
持続性疼痛を伴う不可逆性歯髄炎では覆髄による保存ではなく、根管治療を行います。
e.ケミカルサージェリー
誤り。
ケミカルサージェリーは薬剤を用いた歯肉圧排などに関する操作で、本症例の根管治療手順ではありません。
覚えるポイント
- 歯冠壁が不足する根管治療では隔壁を先に作ります。
- 隔壁は防湿・洗浄・仮封を確実にします。
- 持続性温熱痛や自発痛は不可逆性歯髄炎を示唆します。