119D081第119回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯周病学

69 歳の男性。舌の疼痛を主訴として来院した。3 週前から舌全体にひりひりと した痛みが生じているという。5 年前から関節リウマチで治療を受けている。初診 時の下顔面の写真(別冊No. 27A)と舌の写真(別冊No. 27B)を別に示す。診療録の 一部と検査の結果を表に示す。 診療録の一部 【全身所見】 体温:36.7℃、倦怠感あり、食欲不振あり 【口腔外所見】 顔貌:左右対称、顔色:良好、顎下リンパ節:腫脹なし 【口腔内所見】 舌:圧痛なし、硬結なし 口腔清掃状態:やや不良 全顎的に歯肉軽度腫脹、 嚥下障害なし、開口障害なし 【服用薬】(お薬手帳より) ・プレドニゾロン ・メトトレキサート 検査結果 白血球数 :7,850/μL 白血球分画 桿状核好中球 :12% 分葉核好中球 :51% 好酸球 : 2% 好塩基球 : 1% 単 球 : 6% リンパ球 :28% 赤血球数 :410 万/μL ヘモグロビン :14.7 g/dL ヘマトクリット :43.0% 血小板数 :15 万/μL ガム試験 :16 mL(基準値10 mL <) CRP :0.21 mg/dL 考えられるのはどれか。1 つ選べ。

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正解: c

正答

c

この問題のポイント

プレドニゾロンとメトトレキサートによる免疫抑制、舌の灼熱痛、唾液分泌量が保たれていることから、萎縮性カンジダ症が考えられます。

解説

症例では舌全体のひりひりした疼痛がありますが、硬結やリンパ節腫脹はなく、CRPも高くありません。ガム試験は16 mLで、口腔乾燥を示す値ではありません。

プレドニゾロンとメトトレキサートは免疫応答を抑制し、Candidaの過増殖リスクを高めます。萎縮性カンジダ症では、舌乳頭の萎縮、紅斑、灼熱感、味覚異常などを認めることがあります。診断には擦過検体の鏡検・培養などを用います。

鑑別のポイント
平滑舌をみたら、カンジダ症だけでなく、鉄・ビタミンB12・葉酸欠乏も検討します。

画像の確認

実画像Aでは口唇・顔貌に貧血や乾燥を示す明瞭な所見はなく、Bでは舌背全体が発赤して乳頭が萎縮し、平滑化と亀裂がみられる。唾液量と血算は保たれ、プレドニゾロン・メトトレキサートによる易感染性を伴うため、萎縮性カンジダ症に合致する。

選択肢の確認

a.口腔乾燥症
本症例では第一に考えません。
ガム試験は16 mLで唾液分泌低下を示しておらず、口腔乾燥症だけでは症状を説明しにくいです。

b.Hunter 舌炎
本症例では第一に考えません。
Hunter舌炎はビタミンB12欠乏に関連し、巨赤芽球性貧血などを伴います。本症例の血算はその所見を示しません。

c.萎縮性カンジダ症
正答。最も考えられます。
免疫抑制薬の使用と舌の灼熱感・萎縮性変化から、萎縮性カンジダ症が最も考えられます。

d.急性骨髄性白血病
本症例では第一に考えません。
急性骨髄性白血病では血球異常、感染、出血傾向などを認め得ますが、本症例の血算は支持しません。

e.Plummer-Vinson 症候群
本症例では第一に考えません。
Plummer-Vinson症候群は鉄欠乏性貧血、嚥下障害、舌炎などを特徴としますが、貧血や嚥下障害がありません。

覚えるポイント

  • 免疫抑制薬は口腔カンジダ症のリスクを高めます。
  • 萎縮性カンジダ症では紅斑・乳頭萎縮・灼熱感を認めます。
  • 唾液分泌量と血算から乾燥症・欠乏性舌炎を鑑別します。

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